『東リベ』千冬のかわいさと男らしさを狩野翔が好演 タケミチと固い友情を築く名シーンも

「こいつを殺せ」

 八戒と大寿の因縁が明らかになり、最悪な現代を変えるための糸口が見え始めたTVアニメ『東京リベンジャーズ』“聖夜決戦編”。第3話のアバンタイトルは、ドスの効いた声で八戒を脅す大寿のセリフが飾った。

 印象的な物語の幕開けは、八戒の歩む先に常に大寿の存在がつきまとうことを暗示しているかのようだ。

 黒龍(ブラックドラゴン)のテリトリーに入ったことを理由に大寿に目をつけられた花垣武道(タケミチ)。殴られる度に、画面に飛び交う血飛沫が痛々しい。八戒が東卍を抜けると約束したことでなんとかその場は収まるが、歴代最狂最悪と謳われる絶対君主の冷酷さが際立った場面だった。思い返せば、登場時に「ドはどつくのド」というとんでもない替え歌を歌っていた大寿だが、その暴力性の“ヤバさ”が際立つ第3話だった。

 最悪な現代で掴んだ「八戒が大寿を殺す」という一虎の情報をもとに、過去の柴兄弟に現代を変えるためのヒントを見つけたタケミチ。今回の見どころといえば、やはりタケミチが自分がタイムリーパーであることを松野千冬に打ち明ける場面だ。

 肉体派の面々が集う東卍の中でも、千冬を演じる狩野翔の爽やかな声も相まって、どこかあどけないかわいらしさを感じさせられるキャラクターだ。しかしかわいさだけではない男らしさ、そして何よりも1人で戦ってきたタケミチを想う優しさを持つ人物でもある。

「俺が最後までお前を支えてやる。それが全部話してくれたお前への俺の答えだ」

 この頼もしい発言には、千冬からタケミチへの男としての賞賛の気持ちも込められているのではないか。「俺はお前を尊敬する」と言い放った千冬のまっすぐな視線には、仲間を守るために己を危険に晒す覚悟を感じさせられる。

 それは千冬が“血のハロウィン編”で、命を落とした場地から継いだ強い志でもあった。自分が信じた相手に背中を預け、命をかけて共に全力で戦う。作品全体に通じる『東リベ』らしい男同士の熱い友情に胸が熱くなるシーンだ。タケミチの相棒として、そして大好きだった場地が愛した東卍を守るため、千冬が見せた新たな決意。千冬と本当の意味で全てを分かち合ったタケミチは、これからどんな反撃のストーリーを見せてくれるのだろうか。

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