最終回でさんしを救うキーパーソンとなるのは、2週の間、浜を不在としていた片岡になるのだろうが、その片岡を東京から強制送還してきたのは高志（吹越満）と篤（梶原善）であり、熱意で説得したのは永沢である。和佳と急接近する波佐間を、自身とアイナとの間に入ってきた男と被らせ、私情が入りまくりの永沢もどこか可愛い。

　いつの間にか、長いものに巻かれてしまっていた和佳。この数週間。放送の中で聞こえなくなってしまったのが、和佳を演じる奈緒の怒号だ。「怒り」という感情の奥には、浜をもう一度立ち上がらせたいとするエネルギーがある。それが波佐間が現れてからは、全てがうまく行っていたように見えていたために、その必要もなかったというわけになる。

　いよいよ最終回となる第10話では、この数話で溜まった怒りのボルテージを解き放つ絶好のタイミング。そして、冒頭では“元凶”と記述してしまったが、どこか“敵”とも言い切れない波佐間を、和佳がこのまま見放すとも思えない。「敵を潰すなんてせこい考えは捨ててさ。前だけを見て、真っ直ぐ歩いて行こう」――この言葉の真意が分かるラストになる予感がしている。

■放送情報
『ファーストペンギン！』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演：奈緒、堤真一、鈴木伸之、渡辺大知、松本若菜、ファーストサマーウイカ、遠山俊也、志田未来、中越典子、梶原善、吹越満、梅沢富美男
脚本：森下佳子
演出：内田秀実、小川通仁ほか
企画プロデューサー：武澤忠
プロデューサー：森雅弘、森有紗
チーフプロデューサー：三上絵里子
主題歌：緑黄色社会「ミチヲユケ」（ソニー・ミュージックレーベルズ）
制作協力：日テレアックスオン
製作著作：日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト：https://www.ntv.co.jp/first-penguin/
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