古川琴音がNHKに“凱旋公演”! 朝ドラ『エール』から特集ドラマ『アイドル』までの歩み
「アイドル×戦争」をテーマにした特集ドラマ『アイドル』(NHK総合)が、8月11日に放送される。昭和初期から終戦間際まで営業を続けた劇場「ムーラン・ルージュ新宿座」にてファンに見守られながら絶対的エースとなった日本初のアイドル・明日待子役として、NHKドラマ初主演を務めるのは古川琴音。2020年の朝ドラ『エール』(NHK総合)を機に一気に飛躍していった彼女のキャリアを考えると、この作品は華々しい“凱旋公演“と言っていいだろう。
現在25歳である古川のデビューは22歳の時。およそ4年という俳優としての経歴は驚くほど短く、それでいて濃密だ。中学高校で演劇部、大学で演劇サークルに所属していた彼女は、早くから業界人の目に留まる。デビューから約1年後に出演し、ゴスロリ少女・ミツエを演じた映画『十二人の死にたい子どもたち』への抜擢は期待の表れである。
『エール』では、古山裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)夫妻の愛娘・華を好演。思春期真っ只中の中学3年生15歳での登場から、アキラ(宮沢氷魚)との結婚を経て、家庭を持つ物語終盤までの華を演じた。当時はほぼ無名と言ってもいい知名度ながら、母に似た芯の強い性格と娘としてどこかあどけない雰囲気を醸し出す確かな演技で朝ドラファンの信頼を得ていった。
古川琴音、注目の朝ドラ“子ども役”に抜擢 『エール』の世界に自然に溶け込むその魅力
朝ドラ『エール』(NHK総合)にて、古山裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)夫妻の愛娘役として登場を果たした古川琴音。際立った個性…
さらに『エール』と同時期のドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)にて、主人公・樹木(森七菜)の同居人で中国人のスーちゃんこと李思涵を演じていたことも大きかった。共演シーンこそなかったものの、森七菜もまた『エール』に出演していた、しかも役としては叔母に当たる間柄。親和性の高い組み合わせでありながら、中国人役という『エール』とのギャップが多くの視聴者の記憶に残っているはずだ。
『エール』と『この恋あたためますか』を皮切りに、古川はそこからおよそ半年で映画『泣く子はいねぇが』、『花束みたいな恋をした』、『街の上で』、ドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系)といった話題作へと立て続けに出演する。特に『コントが始まる』は主演の菅田将暉や有村架純らと肩を並べるメインキャストの一人に。この半年には菅田のアーティスト楽曲「虹」のMVで共演していることも踏まえれば、彼女には縁深い不思議な関係性がある(その後には『前科者 -新米保護司・阿川佳代-』(WOWOW)で有村と再共演している)。
『コントが始まる』『街の上で』など話題作で存在感 古川琴音は一瞬で空気を変える女優だ
「若手で勢いのある女優は誰?」と聞かれたら、間髪入れずに「古川琴音」と答える。NHK朝ドラ『エール』では主人公夫婦の一人娘・古山…
近作としては『偶然と想像』、『メタモルフォーゼの縁側』、『今夜、世界からこの恋が消えても』の映画3作、舞台『イントゥ・ザ・ウッズ』が主な出演作に数えられる。『メタモルフォーゼの縁側』では主人公たちが夢中になるボーイズラブの漫画家・コメダ優を、『今夜、世界からこの恋が消えても』ではヒロインの同級生役にして物語の鍵を握る重要な役・綿矢泉、さらにオムニバス映画である『偶然と想像』ではその一編『魔法(よりもっと不確か)』で主人公・芽衣子を演じており、着実にキャリアを重ねながら型にハマることのない俳優像を築いている。