『ちむどんどん』「過去と未来が私の人生」 重子に告げた言葉に詰まった房子の信念

 さて、ついにフォンターナに和彦と重子がやってくる。奥の席に通されると、早速房子が挨拶。上流風な店内の様子や、暢子の作った前菜「ペペローネ リピエーノ」を気に入ったように思えた重子だが、房子に対して徹底的な“リサーチ”をしていたことがわかる。最終学歴は小学校。戦後は闇市で働かれて色々苦労されたんですってね」と話す重子は、彼女がそういった過去と縁を切ってフォンターナを作ったことを“褒める”。ただ、彼女の笑顔も褒め言葉も真意がわからないところが怖いのと、何より田良島(山中崇)や房子など暢子以外の人間に対しても構わず“あの調子”でいることが恐ろしい。

 そんな彼女に田良島はガツンと言ってやったわけだが、今回は房子が言う番だ。自分の出身や過去とは縁を切れないと言った上で「過去と未来が私の人生、どうぞ気が済むまでお調べなさってください」と気にしない様子の房子に重子は怯む。暢子も暢子で料理に嫌味を言われても、「フォンターナに来てから一度も欠かさず料理はしてきました。自分を信じなさいと、亡くなった父が言っていたんです」と信念を持って重子に立ち向かった。

 フォンターナを舞台にした“重子戦”は、暢子側が有利に進んでいたように思えた。しかし、そこで別のお客が急にキレて騒ぎ出す。トイレの釘が引っかかってジャケットが破けたと難癖をつける彼は、明かに権田の手下。「仲間連れてくるからよ、首洗って待ってろよ!」と大声で叫んで去っていったせいで、周りのお客は動揺し席を立ち始めてしまった。重子に至っても「類は友を呼ぶ」と重子らしすぎるセリフを残して退場。和彦は相変わらず母の背中を追うだけだが、今後も権田からの嫌がらせがエスカレートしそうな嫌な気配が漂うラストであった。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

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