『美男堂の事件手帳』コプリを追うソ・イングクとオ・ヨンソ コミカルな“韓ドラあるある”も

 新たな登場人物も増え、真相に近づきつつある様相を見せながら、真犯人コプリの正体は未だ謎のままだ。ジェヒの捜査に協力するチャ検事(クォン・スヒョン)の怪しい様子も描かれ、彼が味方なのか敵なのかも気になるところだ。今後じわじわとチャ検事にまつわる部分も明かされていきそうだ。

 ストーリーの進展が、シリアスとコメディが絶妙なバランスで進んで行く中、第7話、第8話では、人気ドラマのパロディシーンも楽しめる。そのうちの1つは『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』の有名なシーンだ。「まさかこのドラマで!?」と嬉しい驚きだ! また、コメディ部分のソ・イングクのOFFの振り幅がどんどん大きくなっていて面白い。クールな塩顔男子として人気な彼が惜しげもなく白目を剥いたり、コメディを超越したコント芸に到達しつつある。

 ハンジュンとジェヒの心もだんだんと近づいてきた。ハンジュンがジェヒに向かって、事件のことを吐露し、「俺もお前も十分に後悔してる、あの時駆け寄って助けるべきだった、そう後悔してる」と話した時、ジェヒは虚を衝かれた顔を見せ、目を泳がせる。自分と電話中に襲われてしまった兄。彼女はどれほど苦しんできたことだろうか、想像を絶するに余りある。そのあとに続く、ハンジュンの「後悔だけでもつらいから、罪悪感はもう捨てろ」という言葉は、彼が自分自身にも何度も言い聞かせてきたと思わせる言葉だ。家族や友人を亡くした時、後悔や罪悪感に苛まれないことは珍しい。どんなに手を尽くしても、もっとしてあげられたのでは……と思いがちだが、ハンジュンとジェヒのそれは、悔いて悔いて悔いまくりながら地獄のような日々のなか、犯人逮捕のことだけ考えて生きてきたのであろう。

 後悔と罪悪感に苛まれてきたであろうハンジュンとジェヒ。ジェヒが言えないでいる事件に執着する理由を明かした時、ハンジュンは一体どんな態度をとるのだろうか。今はまだ協力していない彼らだが、魂を抉られるような深い傷を負うハンジュンとジェヒが協力し、コプリに辿り着くであろう道程を追いかけたい。

■配信情報
『美男堂の事件手帳』
Netflixにて配信中
(写真はKBS公式サイトより)

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