辻村深月原作の劇場アニメ『かがみの孤城』監督は原恵一 主人公こころの声を収めた映像も

 辻村深月によるベストセラー小説をアニメーション映画化する『かがみの孤城』の監督を原恵一が務めることが決定し、あわせて超特報映像が公開された。

 原作は、2018年本屋大賞を受賞、累計発行部数130万部を突破しているファンタジーミステリー。主人公は、学校での居場所をなくし家に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日突然、部屋の鏡が光り始め、吸い込まれるように鏡をくぐり抜けると、その先に城のような不思議な建物があった。そこには、こころと似た境遇の7人が集められていた。城の中には秘密の“鍵”が隠されており、その鍵を見つけた者は、何でも願いが叶うという。なぜこの7人が集められたのか。鍵はいったいどこにあるのか。

 公開された映像は、「たとえば、夢見る時がある。転入生がやってくる。その子はなんでもできる、素敵な子」と、主人公・こころのモノローグでスタート。こころが誰にも言えない秘めた思いを語るこのセリフは、原作の冒頭シーンに登場する印象的なモノローグを引用したもの。映像の中では、こころがどこかへ歩き出している足元や、光る鏡に手を触れようとしている手元のほか、7枚の鏡が並ぶ広間、海の上にそびえ立つ城など様々な情景が映し出されている。

映画『かがみの孤城』特報映像

 本作を手がける原監督は「監督は孤独だ」と語りながらも、「甘美な瞬間がある。それは作品が、自分の思っている以上のものになる予感を感じた時、監督をやって良かった、としみじみ思うのだ。今、『かがみの孤城』という映画を作りながら、そういう予感を感じ、ワクワクと仕事をしている」とコメント。『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』の両作品で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞し、『カラフル』では、第35回アヌシー国際アニメーション映画祭長編作品特別賞観客賞を受賞、2018年には、高畑勲監督、大友克洋監督に続き、アニメーション監督では3人目として紫綬褒章を受章している。そして、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』『心が叫びたがってるんだ。』など、数多くの青春アニメを世に送り出してきたA-1 Picturesが制作を手掛ける。

 また、「生徒役声優オーディション」の開催も決定。指定のセリフを読む動画を「#かがみの孤城オーディション」を付けてTikTok、YouTubeに投稿すると、生徒役として『かがみの孤城』の世界に参加できるチャンスが与えられる。詳細は公式サイトにて。

原恵一監督 コメント

監督は孤独だ、などと云う。それは実際その通りで、自分は孤独では無い、なんて云う監督は大噓付きか大馬鹿者だし、孤独に耐える覚悟が無い人間は監督なんかやるべきじゃない。スタッフ、キャストの仕事をジャッジして、OK、NGを決め、進むべき方向を示さなければならない。それは個人の意地を貫くことで、故にその責任を負うには孤独である必要があると思うのだ。
そんな監督仕事ではあるが、甘美な瞬間がある。それは作品が、自分の思っている以上のものになる予感を感じた時、監督をやって良かった、としみじみ思うのだ。今、『かがみの孤城』という映画を作りながら、そういう予感を感じ、ワクワクと仕事をしている。ださい。

■公開情報
『かがみの孤城』
2022年冬公開
監督:原恵一
原作:辻村深月『かがみの孤城』(ポプラ社)
アニメーション制作:A-1 Pictures
配給:松竹
(c)2022「かがみの孤城」製作委員会
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/kagaminokojo/

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