『マイファミリー』富澤たけし、『テセウスの船』せいや 犯人役に芸人が指名されるワケ

 一方、吉乃の犯行は、身の保身のために嘘を重ねていき、雪だるま式にことが膨れ上がった……というのが実情である。そんな彼について、富澤はこう解釈したという。

「前に“なんでこうなった……?”という温人のセリフがありましたが、監督とも、まさに吉乃は冷静沈着で計画的に見えて、本心は自分が犯してきた事や突発的に起きる想定外の事に対して“なんでこうなった……?”と思いながら動いてきた人なんじゃないのか、という話になりました」(※2)

 彼が黒幕だと判明したシーンから逮捕されるまでの一連の流れは圧巻だった。回想シーンでは、想定外の出来事に焦る吉乃の姿が、富澤の雰囲気にマッチしており、そのビジュアルや流れる冷や汗も相まって物語に説得力が生まれていた。また、懸念されていた演技力という面でも、警部・葛城圭史を演じた玉木宏が、事件に関連する台詞を一手に担いカバーした。

 もちろん、俳優が犯人役を担っても何ら問題ないのだが、芸人が演じたことで、良くも悪くも大きな話題となったのは確か。結果的に視聴者に衝撃を与えたのだから、キャスティングは成功したと言って良いだろう。

 ここ数年で「日曜劇場×ミステリードラマ=芸人が真犯人」という作品が続いたのもあって、次回、同じ形になった際には「芸人が真犯人」と考察されるのは間違いない。そこでもう一度芸人にスポットを当てるのか、はたまた違った手法で展開させてくるのか……。日曜劇場の“次なるギミック”に期待したい。

参考

※1. https://www.youtube.com/watch?v=CsYFpG3H8t4
※2. https://ameblo.jp/takeshi-tomizawa/entry-12748112263.html

■配信情報
日曜劇場『マイファミリー』
TVer、Paraviにて配信中

■リリース情報
『マイファミリー』
12月7日(水)Blu-ray&DVD発売
DVD-BOX:22,990円(税込)
Blu-ray BOX:29,040円(税込)
製作著作・発売元:TBS
発売協力:TBSグロウディア
販売元:TCエンタテインメント

出演:二宮和也、多部未華子、賀来賢人、高橋メアリージュン、大友康平、神野三鈴、迫田孝也、那須雄登(美 少年/ジャニーズJr.)、山田キヌヲ、 渡辺邦斗、藤間爽子、大島美優、松本幸四郎、富澤たけし(サンドウィッチマン)、濱田岳、玉木宏
脚本:黒岩勉
演出:平野俊一
プロデューサー:飯田和孝、渡辺良介(大映テレビ)
スーパーバイジングプロデューサー:那須田淳
協力プロデューサー:大形美佑葵
音楽:大間々昂
主題歌:Uru「それを愛と呼ぶなら」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作著作:TBS
(c)TBS

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