『マイファミリー』の余韻から抜け出せない 改めて突きつけられた俳優・二宮和也の凄さ

 「これほどまでに『まずは観てくれ』と思うドラマはないんです」。第1話放送直前、そんな飯田和孝プロデューサーの言葉から、筆者の『マイファミリー』(TBS系)関連取材はスタートした。

 連続ドラマのインタビューは、初回放送前や最終回に向けて行われるのが一般的。でも、この『マイファミリー』は毎週キャストのインタビューが行われるという異例の進行で、ドラマ撮影中のキャストにリアルタイムで話を聞くことができた。

 「視聴者はきっとこんなことが聞きたいんじゃないか」「あのシーンの裏側はどうだったのか」などとワクワクしながらインタビューさせてもらったが、どのキャストの返答にも共通していたのは、脚本の面白さへの賛辞。そして、座長・二宮和也への尊敬と信頼だった。

 『マイファミリー』は、鳴沢温人(二宮)の娘・友果(大島美優)が誘拐されるところから始まる。当初、我々視聴者は最終回に向けて友果が助かるのか、また真犯人は誰なのか、という2つをテーマに話が進んでいくものだと思ったが、その予想はあっけなく覆され、第3話で友果ちゃん誘拐事件は解決。そして、ここから連続誘拐がスタートするという、誰も想像しなかった物語がノンストップで進んでいく。

 吉乃一課長を演じた富澤たけしは、先の読めないストーリーに「なんでこんなことが考えられるんだって、(脚本家に)すごく嫉妬する」と話し、葛城を演じた玉木宏は「脚本の面白さがすごく出ているドラマ。複雑ではあるので、頭を使わなければ入ってこないし、演じる上でも理解していなければ外に出ていかない。そういう難しさはあるけれど、その難しさに臨める作品として、すごくやりがいがある」と語るなど、キャストがそれぞれに“オリジナル脚本”の醍醐味を存分に味わっていることが伝わってきた。

 加えて、玉木は「みんながじっくりと台本を読み込んで形を作っていく。それぞれの部署にちゃんと責任が課せられている作品のような気がする」と続け、温人の妻・未知留役の多部未華子も「今回ご一緒しているキャストの方には、自分の“我”を出す人がいない」「作品に向き合う気持ちが一緒」と明かすなど、キャスト全員が“物語を組み立てるパーツのひとつ”になることに徹し、丁寧に作品を作り上げている様子も見て取れた。

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