玉木宏が明かす、“年相応”の俳優の楽しさ 『マイファミリー』俳優陣の上手さは刺激に

 TBS日曜劇場『マイファミリー』において頼もしい存在であり、犯人を追うその執念深さに、怖さをも感じさせる神奈川県警捜査一課・特殊犯対策係の葛城圭史。どんな状況になっても捜査を推し進める、異常にも見える執着に怪しむ声も上がる一方で、必ず真犯人を突き止めてくれるはずだと、視聴者からの信頼の高さも伺える。物語の最終展開のキーパーソンとなっていく存在であるのは間違いないだろう。

 そんな物語の重厚な日曜劇場らしさを存分に引き立たせているのが、葛城を演じる玉木宏だ。映画『極主夫道 ザ・シネマ』などのコメディ作品での主演から、本作のような社会派ミステリー作品の脇を固める役など、これまで・これからの俳優人生のなかで「いろいろな役を演じること」への思いについて、語ってくれた。(編集部)

真犯人を知らずに演じるのは新鮮

――SNSを中心に考察が盛り上がっていますが、考察ドラマに出演する面白さは感じていらっしゃいますか?

玉木宏(以下、玉木):そうですね。もともと連続ドラマには、視聴者の反応を感じながら撮影できる醍醐味があると思っていて。僕はそんなにネットを見る方ではないんですけど、世の中が“こういう考察をしている”というのは耳に入ってきますし、その反応が面白いなと思いながら演じていました。ただ、僕自身も最終話の台本をもらったのがちょうど一昨日(※インタビューは5月27日実施)の夕方で、そこまでは本当に真犯人が誰なのか知らなかったんです。台本をもらうたびに毎回ちょっとした驚きもありますし、知らないで演じるというのも新鮮でした。

――視聴者に近い感覚でもあったと。

玉木:はい、本当に(笑)。「あれ? もしかしたら俺は犯人なのかな?」という思いもあって、怪しさを残しながら演じていた部分もあります。

――今まで葛城を演じてこられて、役に入れる感情に変化はありますか?

玉木:特に変わりはないです。最初から、葛城は非常に執念深いというお話をいただいていて。この時点になっても、まだ1人だけ執念深く5年前の事件の真相を追っているところもありますし、その執念深さが、ときに怖くも見えるというか。ただ、(善人か悪人か)どっちに転ぶかわからないようなセリフが多いので、遊びを入れるのが難しい役柄ではあると思います。

――ご自身は、葛城の執念深さに共感できますか?

玉木:当然、役として受け入れて近づこうとはしています。それに、葛城という人物は本当にまっすぐ事件を追い続けている男なんです。5年前に東堂心春さんを救えなかった事実が自分の中にあって、「同じような失態を繰り返さないように」という想いもあるだろうし、仕事に対して非常にまっすぐな男だと思うので、そこはすごく共感できるところです。

現場での談話は「心の中でブレーキをかけながら」

――玉木さんはコメディからシリアスな役まで幅広く演じていらっしゃいますが、現場では役を引っ張らずに切り替えられるタイプですか?

玉木:役を引きずって、ということは一切ないと思います。でも、専門用語や警察用語は頭の中で整理しておかないと、すぐに出るようなセリフではなくて。二宮くんたちは本当に本番2秒前くらいまで喋っているので(笑)、心の中でブレーキをかけながら話に乗っかっているという感じです。

――シリアスなシーンが多い中でも、現場は和気あいあいとされているそうですね。

玉木:本当に明るい人ばかりだし、みんな意外と喋るのが好きな人たちなので、集中するときは集中して、そうでないときは他愛もない会話で盛り上がっています。

――主演の二宮さんの印象は?

玉木:二宮くんとは4作目の共演なんですけど、一番最初はお互いに10代の頃でした(テレビ朝日系『あぶない放課後』/1999年4月期)。嵐結成前でしたけど、当時から第一線で主役をやられていた人なので、その頃からあまり印象は変わらないです。現場を引っ張っていて、さすがだなと。さらに進化しているとは思いますが、非常に頼りがいのある座長だな、という思いです。

関連記事