『カムカム』演出陣が明かす、涙の抱擁の舞台裏 上白石萌音の復帰は“1日限り”だった

 制作統括の堀之内礼二郎は、安子編のラストが悲しい場面であったことを物語の構成上必要なことだとわかりつつも、個人的に気にかけていた。「萌音さんがあのシーンを演じてくれたことによって、自分の気持ちとしてもすごく救われたんですよね。歓びの涙のシーンを萌音さんの最後にできて、嬉しかった。欠けていたピースが埋まったような、浄化された気持ちでした」と振り返る。雉真家の戸をるいが開けた日は、土砂降りの雨だったが、今回のインサートでは雨上がりに変わっている。これは「晴れていてほしい」という思いからの、安達による演出だったようだ。

 また、上白石のオールアップには深津絵里と川栄李奈が見届け、ようやく3人が現場に揃った。ドラマ内では実現することのなかったスリーショットに、上白石は「帰りたくない」といつまでも別れを惜しんでいたという。

 半年間にわたって放送されてきた100年のファミリーストーリーも、明日の第112話で幕を閉じる。すでに月曜放送の第108話から令和と平成を行き来する特殊な物語構成となっているが、ラストはどのような幕引きとなるのだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか
写真提供=NHK

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