磯村勇斗、山本直樹原作『ビリーバーズ』で映画初主演 「この物語の世界を生きてみたい」

 7月よりテアトル新宿ほかにて全国順次公開される城定秀夫監督作『ビリーバーズ』の主演を磯村勇斗が務めることが発表された。

 原作は、『Blue』『レッド』などを代表作に持つ山本直樹が、カルトの世界に切り込み、人間の欲望をあぶり出した漫画『ビリーバーズ』。過激な内容ゆえ実現不可能とも言われた本作の映像化に挑んだのは、今までに100作以上の映像作品を手がけてきた、『アルプススタンドのはしの方』『愛なのに』『女子高生に殺されたい』の城定。自ら本作の映画化を熱望した。

 とある孤島で生活をする2人の男と1人の女。男の1人は「オペレーター」、女は「副議長」、もう1人の男は「議長」と互いに呼び合い、揃いのTシャツを着ている。「ニコニコ人生センター」という宗教的な団体に所属している3人は、「孤島のプログラム」と呼ばれる無人島での共同生活を送り「安住の地」へと旅立つ日に思いを馳せていた。朝の瞑想、昨晩見た夢の報告、テレパシーの実験、といったメールで送られてくる不可解な指令を実行し、時折届けられる僅かな食料でギリギリの生活を送る。それらすべてが、性欲や過度な食欲に物欲といった俗世の汚れを浄化し「安住の地」へ出発するための修行なのだ。だが、飢えとの戦い、突如現れた外界からの侵入者、ほんの僅かなほころびは、徐々に互いの本能と欲望を暴き出してゆく。

 先日、首から下だけのティザービジュアルが公開された本作。映画初主演となる磯村が演じるのは、3人のうち最も序列の低いポジションに置かれ、純粋な信仰心と抑えきれない欲望の間で揺れ動く主人公・オペレーターだ。

 あわせて、磯村演じるオペレーターのキャラポスターも公開。主演の磯村と城定監督からはコメントも寄せられている。

コメント

磯村勇斗

初主演の映画が『ビリーバーズ』で良かったと心から思います。 原作と脚本を読んだ時、自然とこの物語の世界を生きてみたいと感じました。 俗世間と、それに対して、可能な限り欲望を削ぎ落とし、信仰する力で安住の地を求める世界。 異様にも映るこちらの世界の方が純粋で、常識に囚われている世の中の方が異常なのかもしれ ない。 ビリーバーズで生きる人物たちは皆一生懸命です。だからこそ滑稽にも見えて笑えてくる。 信仰があり、エロスがあり、不気味だけどどこか哀愁があり。 人間の本能の先にあるものは何なのか。 混沌とした今の時代だからこそお届けしたい作品です。

城定秀夫監督

(左から)城定秀夫監督、磯村勇斗

「オペレーター」という風変わりな役名でこの狂気の物語を力強く牽引するのが磯村勇斗さんで す。食事制限で体を絞り、髪と髭を伸ばし、電気も水道もなく、虫は入るわ、雨漏りするわの安 普請の劇用プレハブに撮影前から泊り込んで役作りをし、全身全霊で演じてくれた磯村さんの 存在がなければこの映画は成立しませんでした。

■公開情報
『ビリーバーズ』
今夏、テアトル新宿ほか全国ロードショー
主演:磯村勇斗
原作:山本直樹『ビリーバーズ』(小学館『ビッグスピリッツコミックス』刊)
監督・脚本:城定秀夫
制作プロダクション:レオーネ
配給:クロックワークス、SPOTTED PRODUCTIONS
(c)山本直樹・小学館/「ビリーバーズ」製作委員会
公式サイト:https://believers-movie2022.com/

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