『妻、小学生になる。』貴恵が生まれ変わった理由とは? “謎の男”水川かたまりも登場

「例え生まれ変わったとしても、それは二度目の人生なんかじゃない。まとめて一つの人生なんだ。後悔や反省を乗り越えない限り、時間は進んでも人生は進まない」

 とは、生まれ変わりをテーマに描く天才中学生小説家・出雲凜音(當真あみ)が綴った文章の一節だ。そして、小説は「じゃあ、今、どうするか。大切なのは迷うこと。迷った先に必ず君らしい答えが出せるから」と締めくくられる。

 書き終えた彼女は、まるで電源が落ちたかのように気を失ってしまった。と、同時に現れたのは、髪を指でねじりながら街をふらりと歩く謎の男(水川かたまり)。これは、執筆中の凜音がよくしていた癖だ。どうやら、その姿は誰にも見ることができない様子。通り過ぎる人と触れてもすり抜けてしまうあたり、どうやらこの世界の道理で生きる人ではようだ。

 ここで、ある説が浮かんでくる。この男は凜音の中にいた、生まれ変わりの人なのではないか。生まれ変わりとは、後悔や反省を乗り越えるために導き出された究極の選択肢。そして、この男の魂は小説を書き上げるという目的を果たせたことで、凜音の身体から抜け出たのではないか、と。

 金曜ドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)第5話は、なぜ生まれ変わりが起きたのかという理由が少しだけ垣間見えた回だった。10年前に他界した新島貴恵(石田ゆり子)と、その記憶を持つ小学生の白石万理華(毎田暖乃)。2人の魂は1人の身体に同時に存在しているのとは少し違うようだ。貴恵としての記憶が鮮明な今、万理華としての日々が思い出せないのだと明かされる。

 もう隠しきれない。そう考えた貴恵と圭介(堤真一)は、万理華の母・千嘉(吉田羊)に現状を説明するも、もちろんすぐには信じてもらえない。だが、呼び方が「ママ」ではなく「お母さん」になっていること、顔色をうかがうように覗き込んでいた視線からまっすぐに見つめる眼差しに変わっていること、できるはずのないオムライスがおいしく作られていたこと……。

 どんなに言葉を積み上げても伝わりそうになかった状況も、母として娘を改めて向き合えば、今の万理華がかつての万理華とは別人であることはこんなにも明らかだった。「万理華に会いたい! 万理華を返して!」と掴みかかる千嘉に、圭介は「家族ぐるみの付き合い」を申し出る。

「あなたの娘さんも、僕の妻も、1人しかいませんけど。1人しかいないから見つけたいんです。白石家も新島家も幸せに暮らせる方法を。白石万理華さんも新島貴恵もあなたも平和ボケの鳩でいられるように」

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