障害を描くドラマとしての新しい視点 『恋です!』が従来の作品と一線を画すのはなぜか

 『恋です!』に出てくる優しい人たちは、誰もが様々な問題を抱えている。見えないこと、母親への特別な感情、いじめられた過去、怪我をしてスポーツを諦めた経験、同性への恋心、絶対に叶わぬ想い……。我々は日常生活の中で白杖や車椅子を目にすると、つい身構えて、頭の中で「サポートしなきゃ」と思ってしまう。しかし実際は、目に見えてわかりやすい車椅子や白杖がなくても、この世の誰もがサポートし合うべき存在なのだ。

 誰かが特別で、誰かが特別じゃないなんてことはない。苦手なことを得意な人が補いあって生きている。今、社会はそのように「苦手」に目を向けるのではなく「得意」に目を向けながら支え合えるようにと変化しているように感じる。『恋です!』はそんな社会の変化に、慎重に寄り添うように描いているのだ。だから我々はユキコと森生を見ていると心が温かくなり、晴れやかな気持ちになるのだろう。自分も相手も、相互に与え/与えられる立場だという安心感がもらえるからなのだ。

 森生に恋のライバルも登場し、クライマックスに向けて盛り上がりを見せる『恋です!』。ユキコと森生がいつもお互いを一番に想いあい、尊重する姿に元気をもらいつつ、ふたりの恋をこれからもずっと応援したい。

■放送情報
『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:杉咲花、杉野遥亮、鈴木伸之、奈緒、岸谷五朗、田辺桃子、細田佳央太、戸塚純貴、ファーストサマーウイカ、堀夏喜(FANTASTICS from EXILE TRIBE)、生見愛瑠
原作:『ヤンキー君と白杖ガール』(うおやま/KADOKAWA)
脚本:松田裕子
演出:内田秀実、狩山俊輔
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:森雅弘、小田玲奈、鈴木香織(AX-ON)
主題歌:「こたえあわせ」JUJU(ソニー・ミュージックレーベルズ)
(c)日本テレビ

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