『クレッシェンド 音楽の架け橋』本予告公開 黒柳徹子、山田洋次ら著名人コメントも
2022年1月28日公開の映画『クレッシェンド 音楽の架け橋』の本予告が公開された。
本作は、実在の管弦楽団へのインスパイアから生まれたパレスチナとイスラエルから、音楽家を夢見る若者たちを集めてオーケストラが結成される物語。和平コンサートが目前に迫った21日間の合宿で、激しく憎しみをぶつけ合う団員たちの対立と葛藤、恋と友情をクラシックの名曲で彩る。ラストに待つ、あらゆる障害を乗り越えた“魂の演奏”とは……。『ありがとう、トニ・エルドマン』のペーター・シモニシェックが若者たちを導くマエストロを演じる。
公開された映像は、「カノン」を奏でるピアノの音色とともに幕を開ける。世界的指揮者のスポルクが、長年の紛争で敵対するパレスチナとイスラエルから集まった若者たちの和平オーケストラを結成。若者たちは家族の反対や厳しい検問などを乗り越え、音楽家という夢に向かって共同合宿に挑む。しかし、「テロリスト!」「人殺し!」と罵声を浴びせながら憎しみをぶつけ合ってしまう若者たち。ヴィヴァルディの名曲「四季」より「冬」のバイオリンソロが緊迫感を高めていく。そんな深い分断を前に、スポルクの「互いの心の音を聴いてごらん」という呼びかけが、ともに音楽を奏でる彼らの気持ちを動かし始める。サーチライトを浴びせられて手を上げる男女のシルエット、涙を浮かべて必死にバイオリンを奏でる主人公レイラの姿などが映し出されている。
また、黒柳徹子、山田洋次、宮本笑里、柳澤寿男ら著名人9名からコメントが寄せられている。
コメント一覧(五十音順)
石丸幹二(俳優・歌手)
音楽は、世界の共通言語。
未来を担う彼らの瞳が、
憎しみで閉ざされてしまわぬよう、
しっかりと隣人の瞳に応え、
希望の光を分かち合っていけるよう、
切に願う。
菊池亮太 (ピアニスト)
古来より偉大な音楽家達の多くは、紛争や人種差別、政治的抑圧の中で激動の世界と戦いながら、それでも何かを伝えるために音楽を作ってきた。
この映画は、平和に慣れた我々によりリアルにその事実を突きつけてくる。
黒柳徹子(女優・ユニセフ親善大使)
音楽は素晴らしい! なんて、しゃれた映画なんでしょう。音楽が平和を連れてくる。そのことが、この映画で何よりも、はっきりする。その懸け橋に、オーケストラを使った監督に、心からブラボーを!!
廣津留すみれ(ヴァイオリニスト)
「音楽で世界を平和に」なんて夢物語なのかもしれない、
命をかけて音を紡ぐ若者たちの姿に冷酷な現実を突きつけられます。
それでも対話を続けることの大切さと尊さ。多くの人に届いてほしい。
藤田真央(ピアニスト)
こんな悲しくて切ない音楽を聴いたのは初めての体験です。この2月、私はまさにイスラエルのテルアビブで、イスラエル・フィルハーモニーと1週間に渡りコンサートをしますが、世界平和を願わずにはいられません。音楽に力を!!
宮本笑里(ヴァイオリニスト)
『弦は銃じゃない、体の一部だ』
例えの「銃」に胸を抉られた。
あらゆる障害、葛藤のなかを乗り越えようとする姿は
言葉に出来ないほどに美しく、魂を感じる。
祈りの想いが響き溢れるラストシーンは
脳裏に刻まれます。
安田菜津紀(NPO法人Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)
「分かり合える」「許し合える」……構造的な暴力を無視して、安易な言葉を投げかけることはできないかもしれない。
大切なのは「それでも...…」と相手に歩み寄る小さな一歩の積み重ねなのだと思う。
柳澤寿男(バルカン室内管弦楽団音楽監督・指揮者)
音楽によって、民族対立から生まれた悲しみを乗り越え、憎しみの心が和らいでいく場面を、コソボ紛争後何度も経験しました。すべて「会う」ことから始まります。
彼らのボレロは、人間誰もが心の奥底に持っている共存共栄のハーモニーなのです。
山田洋次(映画監督)
国や民族同士が憎しみ合い、紛争が絶えない愚かしさに対し、
怒りをぶつけるように「ボレロ」が美しく演奏される。
これぞ現代の音楽映画。
■公開情報
『クレッシェンド 音楽の架け橋』
2022年1月28日(金)
監督:ドロール・ザハヴィ
主演:ペーター・シモニシェック
配給:松竹
2019年/ドイツ/英語・ドイツ語・ヘブライ語・アラビア語/112分/スコープ/カラー/5.1ch/原題:Crescendo
(c)CCC Filmkunst GmbH
公式サイト:movies.shochiku.co.jp/crescendo/