『カムカムエヴリバディ』朝ドラ史上でも類を見ない幸せな15分間 夫婦となった稔と安子
2人の思い出の喫茶店「ディッパーマウス・ブルース」、そして朝丘神社を参拝する安子と稔。「早う戦争が終わってほしい。どこの国とも自由に行き来できる。どこの国の音楽でも自由に聴ける。自由に演奏できる。僕らの子供にゃあ、そんな世界を生きてほしい。ひなたの道を歩いてほしい」ーー出征を前に稔が願ったのは、次の時代を生きる子供の幸せだった。
喫茶店の店主・定一(世良公則)の後押しもあり、2人の話題は授かることを願う子供の名前に。稔がすでに決めている、「男の子でもおなごの子でも外国でも通用する名前」とは、深津絵里が演じることとなる「るい」のことなのだろう。大阪の街でジャズに出会う『カムカムエヴリバディ』の二代目ヒロインだ。
「安子との稔が一緒に暮らせたのはほんのひとつき足らずでした。短いけれど幸せな日々でした」とナレーションで告げられているように、第4週「1943-1945」からは稔が出征し、戦争も激化。岡山も空襲を受け、商店街は焼け野原と化すこととなる。第15話の15分間が愛に溢れたシーンばかりだったのは、これからやってくる悲劇の前のほんの束の間の幸せ。稔が安子を抱きしめ「生まれてからのお楽しみじゃ」と囁くツンデレシーンが、2人の幸せの絶頂でないことを祈る。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか
写真提供=NHK