1964年東京五輪金メダル、バレーボール女子日本代表を追う 『東洋の魔女』12月11日公開へ
1964年の東京オリンピックで金メダルに輝いた女子バレーボールチームを追ったドキュメンタリー映画『東洋の魔女』が、12月11日より渋谷ユーロスペースほかにて全国順次公開されることが決定した。
本作は、1960年代に世界から“魔女”と恐れられた女子バレーボール日本代表チームの秘密と、彼女たちのその後を追ったドキュメンタリー映画。
1964年10月、高度経済成長を間近に控えたこの時期に、戦後復興の象徴として日本で最初のオリンピックが開催された。なかでも、圧倒的な実力を見せたのが女子バレーボール代表。日本チームを率いるのは、インパール作戦に従軍し、死地を潜り抜け奇跡の生還を果たした大松博文、通称「鬼の大松」。メンバーの大半は紡績工場で働く工員で、連日深夜まで大松による徹底的な特訓を受ける生活を送り、次第に世界から「東洋の魔女」と恐れられるようになった。彼女たちはオリンピックでも圧倒的な強さで勝ち進み、決勝で最大のライバル・ソ連代表と相まみえた。彼女たちは秘密兵器「回転レシーブ」と「無回転サーブ」を武器に、圧倒的な体格を誇るソ連代表を追い詰めていく。そして、全国民が固唾を呑んで見守るなか、その時が訪れた。
日本の人口が約97,000人と、1億人に達しようとしていた当時、白黒TVの普及率は87.8%とピークに達していた。そしてソ連戦の視聴率は最高95%を記録、平均も66.8%に達していたと言われている。その熱狂はその後、空前のママさんバレーブームを引き起こし、『アタックNO.1』や『サインはV!』をはじめとする、「スポ根」ジャンルの興隆へと繋がっていった。
「魔女」「スパルタ」「鬼の大松」……仰々しい言葉とともに語られてきた彼女たちが、80代に差し掛かっている今、自らの口で、その思い出を語り始める。“魔女たち”の姿を撮影したのは、是枝裕和監督作『誰も知らない』の山崎裕。『オリンピア52についての新しい視点』や『完璧さの帝国』といったフッテージ・ドキュメンタリーで高い評価を得てきたフランスの奇才ジュリアン・ファロが監督を務めた。
市川崑の『東京オリンピック』からカンヌ映画祭グランプリ作品『挑戦』、さらにはアニメ『アタックNO.1』や戦後日本の風景までをふんだんに織り交ぜ、単なるノスタルジーに収まらない新たな「東洋の魔女」像を浮き彫りにしていく。「東洋の魔女」が真に成し遂げたものとは何だったのか。なぜあれほどまでに、日本は彼女たちに熱狂したのか。その秘密が明かされる。
公開決定にあわせて、バレーボールブームを作ったアニメ『アタックNo.1』の主人公・鮎原こずえと“魔女たち”が、コート上で躍動する姿を描いたポスタービジュアルも公開された。
■公開情報
『東洋の魔女』
12月11日(土)より、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本:ジュリアン・ファロ
プロデューサー:ウィリアム・ジェアナン
撮影:山崎裕 編集:アンドレイ・ボグダーノフ
録音:レオン・ルソー
音楽:ジェイソン・ライトル、K-Raw
ラインプロダクション:ドキュメンタリージャパン、橋本佳子、角田良子
配給:太秦
宣伝協力:スリーピン
2021年/100分/ドキュメンタリー/DCP/フランス/原題:Les Sorcieres de l’Orient /英題:The Witches of the Orient
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