『おかえりモネ』は天気予報への意識を変えてくれる 現実ともリンクする大型台風の接近

 過去にあまり例がないほどの大型台風12号が、日本列島に近づいていた。ウェザーエキスパーツでは「台風12号緊急対策室」を設立し、緊急会議を開く。気象庁も異例と言える台風に関する記者会見を準備。『おかえりモネ』(NHK総合)第88話では、百音(清原果耶)たちに、ただならぬ緊張が走る。

 この大型台風の注意すべきポイントは、発達しながら首都圏を直撃するおそれがあること。今までに経験したことのないほどの大雨が降るかもしれないことだ。そして、厄介なのが現時点で雨はほとんど降っていなく、視聴者が危機感を抱くのが難しいことである。

 台風が上陸するまでのリードタイムは2日。百音たちの使命は、人々に避難の行動をしてもらうための注意喚起。しかし、外は快晴という天候に、高村(高岡早紀)をはじめとするJテレ気象班は頭を抱えていた。降り始めてからでは遅く、あっという間に暴風雨になって、避難しようと思った時には動けないーーそれをどのようにして伝えるかだ。

 考えた末に、百音は映像で少し先の未来を見せることができないかと提案する。雨や風の強さを体験するリポートでその危険性を具体的に可視化すれば、「あの時、ああしていればよかった」を減らせるのではないかと百音は考えたのだ。結果的に、雨風シミュレーションを使った映像は視聴者に危機意識を持たせるのに成功する。朝岡(西島秀俊)からも「このタイミングでこれを見せるのはいいですね。具体的に何が起きるかイメージしやすい」といった評価を受け、汐見湯にテレビを観て近隣住民が避難をしに来たのはその結果の一例だろう。この3年で報道キャスターとしてすっかり信頼を得た神野(今田美桜)のアナウンスも、視聴者に危機意識を与える大事な要素だ。

 実は「少し先の未来」というアイデアを百音に与えたのは、登米にいる菅波(坂口健太郎)だ。台風を心配する菅波からのショートメッセージ(成長!)、百音が無意識にわきに挟めていたサメのぬいぐるみを見て、百音は菅波に電話をする。

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