恒松祐里、『おかえりモネ』東京編で際立つ存在感 誰よりも大人な“すーちゃん”の格好良さ

 『おかえりモネ』(NHK総合)のヒロイン百音(清原果耶)の一番の幼なじみで保育園の頃からいつも一緒、お互い上京しても同じシェアハウスに住む、“すーちゃん”こと野村明日美(恒松祐里)。憧れのアパレル関係の仕事に就き、キラキラとおしゃれな東京生活を楽しんでいるだけではなく、じつは洞察力があって、さりげない気遣いができる賢さも兼ね備えている。なかなか進展しない百音と菅波(坂口健太郎)の恋を後押しするなど、東京でのすーちゃんの活躍がまぶしい。

 第16週の「若き者たち」では、「#俺たちの菅波」の盛り上がりに続き、新たに「#俺たちのすーちゃん」のハッシュタグがトレンド入りを果たすなど、SNSでも改めてその魅力が注目されている。カラッと場を和ませる笑顔を見せたかと思えば、シリアスな場面で見せる憂いのある大人の表情への切り替えも見事で、恒松祐里の存在感が光る展開となった。

 第76話では、船に戻ったはずの亮(永瀬廉)の行方が分からなくなり、新宿からバスに乗ると連絡が入ったことで百音と明日美で迎えに行こうとした。明日美が未知(蒔田彩珠)を誘うと行けないと断る未知。「りょーちんが来てもらいたいのは、お姉ちゃんだから」と亮が自分の電話には出ず、百音の電話に出て、「俺、やっぱ百音しか言える相手いない」と、未知はここでもスピーカー通話で聞いた亮の言葉にこだわる様子を見せる。

 「みーちゃんさぁ、そんなの分かってるよ。こういうとき、りょーちんが本音を言うのはモネだよ。昔からそうじゃん。なんだろうね、そういう関係。むかついた時期もあったけど」と嘘のない言葉で未知を否定することもしない。亮に一途に片思いしていた明日美は、未知の気持ちもよく分かるのだ。

 「あいつはね、カッコつけるからね。私やみーちゃんには」と、百音に亮をそのままバスに乗せないように託し、送り出す。

 そこへ、明日美と未知がいるところへ前日のデートが自分の仕事のせいで中止になった菅波が現れた。鮫の歯の展示を見る時間にしては早すぎる。休日にのんびり百音と朝ごはんも一緒に食べたかったのかもしれない。そんな何も知らない菅波に対して、「昨日、会いましたよね。ここで、地元の、島の。姉はあの人のところに行きました。分かりませんでした? なんか空気、感じませんでした? あのふたりは昔から通じ合って……」という未知の言葉を明日美は遮った。それは恋愛で幸せになりたいという明日美には聞き逃すことができない、未知自身をも傷つけるような毒を含んでいる言葉だった。

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