『ジョジョの奇妙な冒険』第6部、Netflix先行配信で高まる期待 PVも最高の完成度
8月8日、「新月」の時。アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』が、Netflixにて全世界独占先行配信されることが発表された。さらに8月14日深夜に放送されたドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK総合)の再放送ラストには続編決定の吉報が。この2つの共通点はどちらも配信/放送が「12月」であること。『ジョジョリオン』完結で毎月の楽しみを失いかけているジョジョファンにとっては、思わず「最高に『ハイ!』ってやつ」になってしまう「ハッピーうれピー」ニュースだ。
改めてだが、『ストーンオーシャン』は12月にNetflixで全世界に向けて先行配信された後に、2022年1月よりTOKYO MX、MBS、BS11にて放送が開始される。これまで『ジョジョ』のアニメは4th Seasonにあたる『黄金の風』まで、東京都を対象地域とするTOKYO MXで放送された後に、近畿広域圏での毎日放送といった順番で地域格差が生まれてしまっていたのも事実。SNSでの実況に参加できないジレンマを抱えていたファンも多くいたのではないだろうか。しかし、今回のNetflixでの一斉配信によって日本全国どころか全世界のファンが平等の立場となった。
注目は発表時の世界的な盛り上がりである。YouTubeで配信されたキャスト発表は12万人以上がリアルタイムで視聴し、アーカイブでも残っているその動画は現在までに140万回再生を突破している。チャットのリプレイを表示すれば一目瞭然であるが、その9割以上が英語によるコメント。言うまでもなく、日本から観ていたファンも大勢いるが、そのコメントの勢いに圧倒されてしまったというのはあながち間違いではないだろう。
日本でも「#jojo_anime」をはじめ、多くの関連ワードがTwitterのトレンドを席巻する中、アメリカのトレンドにも「#stoneocean」が2位に浮上。チャット欄の熱狂がそのままSNSにも反映された形だ(ちなみに1位はアメリカの総合格闘技「UFC」のハッシュタグ「#UFC265」)。
では、なぜ『ジョジョ』はこれほどまでに海外から圧倒的な支持を受けているのか。それはアメリカを舞台とした物語が多く描かれていることにあるだろう。第2部「戦闘潮流」、第7部「スティール・ボール・ラン」、そして、今回アニメ化となる第6部「ストーンオーシャン」もアメリカ・フロリダ州を舞台にしたストーリー。現地のファンとしては「戦闘潮流」以来の、待ちに待ったアニメ化であろう。
主人公・空条徐倫(ファイルーズあい)が収容されるのは、州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所。別名「水族館」。ここで徐倫は、エルメェス・コステロ(田村睦心)やフー・ファイターズ(伊瀬茉莉也)といった仲間たちと出会い、父・空条承太郎(小野大輔)を巡る「死ぬより恐ろしい事」に巻き込まれていく。
原作者の荒木飛呂彦は、『ストーンオーシャン』第1巻の冒頭に「作者のおぼえ書き」として「この場を借りて、本書の成立を助けてくれた次の方々に感謝の意を表します」と、「日本と米国の違いを知るために時間をさいていただいた弁護士」「元NY市警、現在、フロリダ州マイアミ税関勤務、そして日本語通訳」「フロリダ州マイアミ ターナー・ギルフォード・ナイト更生センター(収容所)所長」と取材協力をしてもらった人の名前を並べている。ここに示されているのは、直接現地を訪れての徹底的な取材。その漫画に注がれるひたむきな精神は、まさに岸辺露伴そのものであり、その成果は『ストーンオーシャン』の特に序盤に色濃く描かれている。