一方、親しき友人と話す場面では違った表情を見せる。第一ボタンをはずして着た服からのぞく首筋、ラフな装いだけど整っているヘアスタイル、咥え煙草でスマホを確認する仕草。田中は何気ない仕草や表情から、好きな人の前で見せる顔と友人の前で見せる顔の違いを表現しているのがよくわかる。

　スマホを確認する田宮に対して、友人から「ママ活？」と聞かれると、眉間にしわを寄せて「そんなんじゃないよ」と答え、「じゃあ誰？」の問いには、煙を吐出して間をおき「言わない」と一言。うつむいて視線を外し、煙草をくゆらす田宮の仕草からは言えない関係であることが伝わってくるようだった。

　好きな人を前にしたときのピュアな心情と、友人を前にしたときの少々強気な雰囲気。言葉が少なく表情豊かにとはいかない様子だが、優しい目つき、寡黙な様子、煙草を吸う仕草やスマホを見る姿勢、目のあたりの動きと視線、さりげない動作を重ねて余白を残す。

　これまでのドラマや映画での出演は、どちらかというとやんちゃな役の印象があり、ジェシー、松村北斗、高地優吾と共に出演した『世にも奇妙な物語 '18秋の特別編』（フジテレビ系）での不良少年役も記憶に新しい。『世にも奇妙な物語』では作品がコメディタッチだったこともあり、同じ煙草を吸う場面でも、今回は随分と大人っぽく色気が滲み出ていた。

　SixTONESの楽曲ではラップを担当している田中。それも単一的な表現ではなく、楽曲に合わせて声色や歌い方を変えるなど表現の幅をみせていて、新曲「マスカラ」MVでもソロパートで前髪越しの視線と声で色気を放ち、楽曲の大人の恋愛を印象づけている。

　さて、SNSでは田宮の登場シーンに「ドキドキが止まらない」などの声が多く寄せられるなどファンの心拍数をあげた田中。これからどんな展開が待っているのか、演技にも益々期待が高まる。

■放送情報
『うきわ ―友達以上、不倫未満―』
テレビ東京系にて、毎週月曜23:06〜放送
動画配信サービス「Paravi」「ひかりTV」にて配信
出演：門脇麦、森山直太朗、田中樹（SixTONES）、高橋文哉、小西桜子、大東駿介、蓮佛美沙子、西田尚美
原作：野村宗弘『うきわ』（小学館ビッグスピリッツコミックス）
監督：風間太樹、太田良
脚本：倉光泰子、神田優
音楽：坂本秀一
チーフプロデューサー：阿部真士（テレビ東京）
プロデューサー：本間かなみ（テレビ東京）、滝山直史（テレビ東京）、唯野友歩（AOI Pro.）
制作：テレビ東京／AOI Pro.
製作著作：「うきわ ―友達以上、不倫未満―」製作委員会
(c)野村宗弘・小学館／「うきわ ―友達以上、不倫未満―」製作委員会
公式サイト：https://www.tv-tokyo.co.jp/ukiwa/
公式Twitter：@tx_ukiwa