9月10日に全国公開される小松菜奈主演映画『ムーンライト・シャドウ』に佐藤緋美、中原ナナ、臼田あさ美、吉倉あおい、中野誠也が出演することが決定。あわせて本予告とメインビジュアルが公開された。

　原作は、吉本ばななが1989年に刊行した『キッチン』（新潮社）に収録されている同名短編小説。1987年に吉本が大学の卒業制作として発表し、日本大学芸術学部長賞、泉鏡花文学賞を受賞した、吉本自身が「初めて他人に見せることを前提に書いた思い出深い小説」と語る小説を、『アケラットーロヒンギャの祈り』で2017年の東京国際映画祭で東南アジア初となる最優秀監督賞受賞を受賞したマレーシアの映画監督エドモンド・ヨウが映画化した。

　本作は、突然訪れる恋人の死をなかなか受け入れることができない主人公・さつきの一人称の視点で描かれる「さよなら」と「はじまり」のラブストーリー。宮沢氷魚が、小松演じるさつきの恋人・等役を演じる。

　兄の等と自身の恋人・ゆみこを同時に亡くし、兄の恋人であったさつきともに深い哀しみに打ちひしがれながらも、少しずつ“生きていく”という日常を取りもどしていく柊を演じるのは、同役をオーディションで勝ち取った佐藤。2018年に寺山修司原作の舞台『書を捨てよ町へ出よう』で主演デビューし、その後『#ハンド全力』などの映画に出演、HIMIとしてのアーティスト活動もしている。柊は亡くなった恋人・ゆみこのセーラー服を着て日々を過ごし何かを感じようとする、原作でも非常にインパクトのあるキャラクター。佐藤は演じることが決まった際、「まさかこの役をいただけるとは思っていなかったのでびっくりした。柊は僕自身と合致する部分が全くないので、正直すごく難しかったけれど、だからこそ挑戦してみたいと思った」と語っている。印象的なもみあげ・おかっぱの髪型も「素の自分とは違う姿で演じたい 」と自ら監督に提案。監督は佐藤を起用した理由として「オーディションで、独自のリズムとテンポによって出来た別世界に住んでいるような印象で、原作で描かれる柊にとても近いと感じた」と語り、現場では「自由奔放で、刺激的なエネルギーを発していた」と振り返る。

　臼田が演じるのは、さつきの前に現れる不思議な女性・麗。彼女はどこかミステリアスな存在感を放ちながら、「満月の夜の終わりに死者ともう一度会えるかもしれない」という不思議な現象「月影現象」へ、さつきと柊を次第に導いていく。演じる臼田は「とても不思議なキャラクターで、答えがないと感じた。『監督はこの作品をどんな風に撮るんだろう？』と、予測できない部分に興味が湧いた」とオファーを受けたときを振り返る。

　そして柊の恋人・ゆみこ役を、「カネボウ」や「コカ・コーラ」、「Adidas」などの海外広告のイメージモデルとして活躍する中原が演じる。オーディションを勝ち抜き、本作で女優デビューを果たした。

　また、さつきの親友・蛍役を吉倉、さつきや柊と麗を巡り合わせる充役に中野など、原作にはないオリジナルのキャラクターが登場する。

　さつき演じる小松の含みのあるナレーションとともに始まる本予告には、失くした鈴をきっかけに出会い、恋に落ち、付き合い出すさつきと等の幸せいっぱいの姿が。そして、等から紹介され、初めて会ったときから意気投合した等の弟・柊とその恋人のゆみことの、何気ないけれど穏やかで幸せな4人の日々が、安らかでどこか神秘的な音楽とともに美しく収められている。だが、突然の着信音により状況は一変。「事故があって、二人とも、死んだ」柊から電話越しに受けた突然の訃報に、深い哀しみに打ちひしがれ、痛々しいさつきの姿が画面いっぱいに映し出される。そして不思議な女性・麗に出会い、満月の夜の終わりに死者と再会できる「月影現象」という不思議な現象に導かれていくさつきと柊の姿が描かれる。小袋成彬による本作のコラボレーションソング「Parallax」も初披露されている。

　あわせて公開されたメインビジュアルには、さつきと等が同じ空間にいて、お互いを見つめ合っているかのように収められている。また、「ひとつのキャラバンが終わり、また次が始まる」と原作の小説でも印象深く刻まれている、主人公・さつきの台詞が綴られている。

■公開情報
映画『ムーンライト・シャドウ』
9月10日（金）全国ロードショー
出演：小松菜奈、宮沢氷魚、佐藤緋美、中原ナナ、吉倉あおい、中野誠也、臼田あさ美
原作：『ムーンライト・シャドウ』吉本ばなな（新潮社刊『キッチン』収録作品）
監督：エドモンド・ヨウ
脚本：高橋知由
配給：SDP、エレファントハウス
(c)2021映画『ムーンライト・シャドウ』製作委員会
公式サイト：moonlight-shadow-movie.com
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