僕がなぜジャミーラ・ジャミルが適役と思ったかというと、まず彼女自身、身長が180cmあるモデルさんでもあります。したがってタイタニアを演じるには十分な身長。さらに彼女は『グッド・プレイス』という傑作コメディで、セレブだけれど家族とうまくいかずつらい人生を送っていたタハニというキャラを演じていました。『グッド・プレイス』のタハニは自分をコケにした家族を見返したいと思っています。そしてタイタニアの正体であるメアリー・マクフェランもいじめられっ子で、自分をいじめた連中への復讐を考えていました。つまりジャミーラが演じたタハニと共通する部分があるのです。

　そして『シーハルク』にタイタニアが登場することは、あることを期待させます。コミックにおいてメアリー・マクフェランにパワーを与えタイタニアにするのは、ドクター・ドゥームというスーパーヴィランです。このドクター・ドゥームはファンタスティック・フォーの宿敵です。なので『シーハルク』にタイタニアが出るということは、ドクター・ドゥームの存在も示唆される。それが映画（MCU版）『ファンタスティック・フォー』につながる……のかもしれません。

■杉山すぴ豊（すぎやま　すぴ　ゆたか）
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するコラム等を『スクリーン』誌、『DVD&動画配信でーた』誌、劇場パンフレット等で担当。サンディエゴ・コミコンにも毎夏参加。現地から日本のニュース・サイトへのレポートも手掛ける。東京コミコンにてスタン・リーが登壇したスパイダーマンのステージのMCもつとめた。エマ・ストーンに「あなた日本のスパイダーマンね」と言われたことが自慢。現在発売中の「アメコミ・フロント・ライン」の執筆にも参加。Twitter