永瀬廉演じる亮のモテ男エピソード 『おかえりモネ』百音が同級生と再会

 祖母・雅代(竹下景子)の初盆に合わせて亀島に帰省した百音(清原果耶)。『おかえりモネ』(NHK総合)第12話は、両手いっぱいの荷物と同じくらい、たくさんのエピソードに彩られた。

 過去に旅館を営んでいた永浦家。亡くなった雅代は亜哉子(鈴木京香)によれば「根っからのホスピタリティの塊のような人」だった。百音は祖母を偲びながら、祖父の龍己(藤竜也)と組手什で作った盆棚を飾り付ける。「チャラチャラしたもんが好きだったからな」(龍己)、「レースとかリボンとか好きだったよね」(百音)。言葉を介さなくても伝わる安心感。雅代がいた永浦家は、きっと笑顔が絶えない場所だったのだろう。

 法要後の食事の席には地元の人々が集合。耕治(内野聖陽)も酒を注いで回る。会話は島と本土をつなぐ橋の話題へ。「耕治はモネちゃんのことがあったがら、切実なんだわな」。第1話冒頭で、嵐の海を渡って生まれた百音。「あん時、船出せだがらあんだ無事に生まれだげんと、出せねがったら今頃こごさ、いねがったがもよ?」。成長した百音を嬉しそうに見る島の人々。しかし船を出した新次(浅野忠信)の姿はそこになかった。

 百音の同級生も一堂に会した。人口3000人の亀島で、同い年の子どもたちは家族のように距離の近い存在だ。卒業して数カ月ぶりの再会は、互いに大人になった部分を確かめ合うこそばゆさと高揚感であふれていた。幼なじみで漁師の“りょーちん”こと亮(永瀬廉)に加えて、明日美(恒松祐里)と悠人(高田彪我)、三生(前田航基)は今回が初お目見えとなった。

 「大人ってなんで酒飲むと同じ話ばっかりすんだろ」(悠人)。まだ大人ではないけれど、子どもでもない移行期の5人、いや4人。三生の姿が見当たらないからだ。父で住職の後藤秀水(千葉哲也)が言うには「大学が休みの間、知り合いの寺に修行に出すことになって」。明日海や悠人も会っていないという。だが、いないはずの渦中の人、三生は「かくまってくれ」と百音の前に現れて……。

 近況報告はうなずける内容ばかりで、まさに青春トークまっさかり。大学デビューした“スーちゃん”明日美の変化に、「会った時、ドキっとしたわ」となにげなく返す亮。モテ男・りょーちんの天然発言に一同は沈黙。ここから「振り回され続けて」きた明日美と亮の18年が語られるのだが、それぞれの証言が食い違っているのがおかしい。

 「付き合ってました」(明日美)、「付き合ってません!」(亮)、「付き合ってたよね、小3の時?」(百音)、「高2!」(明日美)、「保育園の時から年1で告白されんだもん。もう、いつ、どうだったか」(亮)。なかなか濃い会話だが、こんな風に話ができるのも18歳の特権だったりする。

※高田彪我の「高」はハシゴダカが正式表記。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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