蓮佛美沙子×小野花梨、吉田羊に“完全同化” 『きれいのくに』の“分からない”面白さ
よるドラ『きれいのくに』(NHK総合)第2話が、4月19日に放送された。
恵理(吉田羊)が10年前の恵理(蓮佛美沙子)に若返りするという衝撃のラストで幕を閉じた前回。43才と33才を行ったり来たりする時系列順がバラバラの少々難解なストーリー(衝撃のラストに繋げるため)であったが、第2話では43才と33才のダイヤルがクルクル回ることで分かりやすい形式になっている。そこに新たに追加されるのが、23才の恵理(小野花梨)である。
23才の恵理は、美容院に就職し、夢だった美容師としての第一歩を踏み出したばかり。遊園地で隣にいるのは、当時の彼氏である健司(須賀健太)だ。スチールカメラマンを目指す健司は、デート中に恵理が携帯を見るのを禁じたり、自分の写真を撮らせるなど、この頃から自分勝手な行動が目立っている。
恵理がお腹に赤ちゃんが出来たことを健司に伝えると、そっけない返事を返し「うん……恵理もね、せっかく美容師ね、あれし始めたとこだし、もったいないなって、仕事始めたばっかで。うん……」と遠回しに自分の気持ちを伝える。「えっ……どういうこと?」と恵理が聞き返すと、それをスイッチに健司は「えっ? 何が何が? えっ……」とマシンガントークを開始。ここで引きの画、無音になるものの、捲し立てる健司の言葉が不思議と聞こえてくる。後に、無収入状態となり、恵理のヒモとして住み着く、健司のクズっぷりがすでに露呈して始めている。
そして、新たに明らかになるのが、この健司が亡くなっていることだ。33才の恵理は健司(橋本淳)と関係が破綻し、離婚を言い渡す。その後、路上を転々としていた健司は道端で倒れ頭から血を流し急逝してしまったのだ。
第1話の冒頭、33才の恵理と宏之(平原テツ)が体を求め合うシーンから、第2話では恵理が健司の死に涙する様子が映し出される。開業した美容院のガラスを割ったのは健司だったことが第2話で分かるなど、年代を何度も移動しながら、物語と物語を繋ぎ合わせていくのは難解でありながら気持ちのいい瞬間だ。