クシシュトフ・キェシロフスキによる10篇の連作 『デカローグ』リマスター版の本予告公開

 クシシュトフ・キェシロフスキ監督作『デカローグ デジタル・リマスター版』の公開日が4月10日に決定し、あわせて本予告が公開された。

 1994年に公開され日本でもヒットを記録した「トリコロール三部作(『青の愛』『白の愛』『赤の愛』)」や『ふたりのベロニカ』などで知られるポーランド映画界の名匠クシシュトフ・キェシロフスキ。1996年に心臓発作により54歳の若さでこの世を去り、2021年に生誕80年/没25年を迎える。

 本作は、旧約聖書の「十戒」を下敷きに、ポーランド郊外の巨大団地に暮らす人々の幾通りもの人生模様を綴った各約1時間・ 全10篇からなる連作集。それぞれが独立した映画として完結している。社会主義体制下にあったポーランドで製作され、キェシロフスキは社会・政治などの要素を映画から一切排除し、キャラクターの内面を描くことに注視した。

 1996年に日本で劇場初公開され、その後2005年にリバイバル上映がされるなど、長い間熱狂的に愛され続けている本作。最新レストアによるデジタルリマスター版は初の公開となる。もともとはテレビシリーズとして製作されたが、その質の高さからヴェネチア国際映画祭に出品、その後世界で上映され、スタンリー・キューブリックが「重要な映画」と賛辞を送ったほか、エドワード・ヤンやホウ・シャオシェンら世界中の映画監督たちがキェシロフスキの才能を絶賛した。

 また、公開初日から劇場窓口では60ページに及ぶパンフレットが発売される。10話それぞれに対して10人が寄稿し、キェシロフスキ監督自身が『デカローグ』を語るインタビューも掲載予定だ。

映画『デカローグ デジタル・リマスター版』予告編

 公開された予告編では、10篇の物語がダイジェスト的に映し出され、最後にはキューブリックによる「ここ20年の間で1本だけ好きな映画を選ぶとすれば、それは間違いなく『デカローグ』である」というコメントで締め括られている。

■公開情報
『デカローグ デジタル・リマスター版』
4月10日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開
監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
脚本:クシシュトフ・ピシェヴィチ、 クシシュトフ・キェシロフスキ
出演:ヴォイチェフ・クラタ、クリスタナ・ヤンダ、 アレクサンデル・バルディーニ、ダニエル・オルブリフスキ、 ヤヌーシュ・ガイヨス、ミロスワフ・バカ、 グラジナ・シャポォオフスカ、ズビグニェフ・ザマホスキ、 イェジー・シュトゥルほか

1. ある運命に関する物語(56分)
2. ある選択に関する物語(59分)
3. あるクリスマス・イヴに関する物語(58分)
4. ある父と娘に関する物語(58分)
5. ある殺人に関する物語(60分)
6. ある愛に関する物語(61分)
7. ある告白に関する物語(57分)
8. ある過去に関する物語(57分)
9. ある孤独に関する物語(61分)
10. ある希望に関する物語(60分)

配給:アイ・ヴィー・シー
日本語字幕:寺尾次郎(翻訳)、沼野充義(監修)
1989年/587分/ポーランド/カラー/ポーランド語/DCP
(c)TVP - Telewizja Polska S.A.
公式サイト:www.ivc-tokyo.co.jp/dekalog/

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