山口紗弥加が引き出す“女性の本音” 『38歳アプリ』稲葉友、塩野瑛久らも魅力全開
山口紗弥加の艶っぽい魅力が光る『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』(テレビ東京)。本作は、38歳バツイチ独身のチアキ(山口紗弥加)が友人の勧めではじめたマッチングアプリで出会う男性とのデートや、時にそれ以上の関係を楽しむ様子を描いた作品だ。色気と、可愛らしさを兼ね備えたチアキが生き生きと恋愛を楽しむ様子や、相手役を務める若手俳優たちが入れ替わり立ち替わり披露する魅力的な姿から、SNSでは「キュンキュンする」という声も高い。
マッチングアプリを使ったデートにいまだに不安や不信感を抱く人は多い。しかしそれゆえに実情を知りたい、どんなものなのか関心があるという人も少なくないだろう。本作の主人公・チアキのように出会いを求めることを楽しめるならなおさらだ。
ドキドキと女性の本音の中に引き込む山口紗弥加
チアキは、これまでの恋愛経験のほとんどが元夫だけという人生を送り、今から青春を取り戻そうとしている。チアキのキャラクターは、これまで遊んでこなかったというピュアさと、38歳までに積み重ねた大人の魅力とが重なり合った複雑な役である。山口は、純情で軽やかながらも、どこか包み込んでくれそうな女性像を見事に演じきっている。その演技力を特に感じさせるのは、カメラに向かって語りかけるような演出や、心の声が漏れ出す瞬間の芝居だろう。いつ何時、どんな男性に抱きしめられていても、山口はスッとチアキの本音を引き出し、視聴者と同じテンションに降りてきてくれる。女友達が深夜にクスリと笑わせてくれるような絶妙な芝居は、シラけるような大仰な様子もなく、かと言って生々しくて夢を壊すような野暮なこともせず、視聴者をデートのドキドキと女性の本音の中に引き込んでいく。
稲葉友、塩野瑛久らの個性からくる様々なアプローチ
そして忘れてはいけないのが、チアキの相手役を務める男性たちだ。これまでにチアキは、役者くん(本田響矢)、代理店くん(福山翔大)、ロミオくん(塩野瑛久)、ベンチャーくん(稲葉友)など様々なタイプの相手とデートを重ねてきた。
それぞれの男性は、その個性からくる様々なアプローチでチアキを誘う。中でも、ベンチャーくんを演じた稲葉友とロミオくんを演じた塩野瑛久は印象深い芝居を見せる。ベンチャーくんはチアキにとって居心地がよく、何より顔がタイプ。稲葉が演じるのは、そんなベンチャーくんの強引さとかわいらしさのギャップである。チアキが「気い使いの人と居るより、一緒にいて楽かも」と評価するようにベンチャーくんには自然と人との距離を詰めていく力があるのだ。その強引さに流されつつも、この人なら悪くないと思わせる“人たらし”的な魅力が感じられるのは稲葉の芝居の力だろう。第4話では、限られた出演時間の中で、稲葉らしい空気作りで印象的なデート相手を演じた。この居心地の良さが、今後チアキとの関係でどう変化していくのかにも注目したい。