麻生祐未、『テセウスの船』に続き重要な役どころに 『危険なビーナス』終盤の鍵を握るのは……?
ドラマ終盤のキーを握りそうなのが、康治が集めていた「フラクタル図形」の絵だ。フラクタル図形は、部分が全体を表し、全体が部分の集合になっている規則的な図形であり、海岸線や雪の結晶に見られる。晩年の一清が描いていたのも、フラクタルに似た図形だった。なぜ、康治はフラクタル図形を集めていたのか? また、一清の絵は康治の研究と関係があるのか? 康治の共同研究者だった牧雄(池内万作)や数学者である伯朗の叔父・憲三(小日向文世)が手がかりを握っていそうだ。
もう一人、露出は少ないが、伯朗と楓の裏で着々と真相に迫っているのが勇磨である。佐代の息子で、矢神家の内幕を見てきた勇磨が、矢神家に眠る「価値あるもの」に気付いていても不思議ではない。ラストの描写は、勇磨がその謎に王手をかけていることをほのめかしていた。そして前回、動いている姿を見せた明人は、いつ姿を見せるのか? フラクタル図形のように謎が謎を呼ぶ本作で、すべて明らかになった時、そこにあるのはどんな光景だろうか?
■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログ/Twitter
■放送情報
日曜劇場『危険なビーナス』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:妻夫木聡、吉高由里子、ディーン・フジオカ、染谷将太、中村アン、堀田真由、結木滉星、福田麻貴(3時のヒロイン)、R-指定(Creepy Nuts)、麻生祐未、坂井真紀、安蘭けい、田口浩正、池内万作、栗原英雄、斉藤由貴、戸田恵子、小日向文世
原作:東野圭吾『危険なビーナス』(講談社文庫)
脚本:黒岩勉
プロデューサー:橋本芙美(共同テレビ)、高丸雅隆(共同テレビ)、久松大地(共同テレビ)
演出:佐藤祐市、河野圭太
製作:共同テレビ、TBS
(c)TBS