松下洸平が考える“本当の好き”とは? 『#リモラブ』で経験した“照れ”と大事にしている“バランス”

 コロナ禍で繰り広げられる恋愛を描く、ラブコメドラマ『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(日本テレビ系)に多くの反響が寄せられている。登場人物たちは、マスクを付け、ソーシャルディスタンスをとり、アルコール消毒を欠かさず、居酒屋でも透明のアクリル板越しに食事を楽しみ、SNSでの出会いを通した恋愛を描くという、現代の様相をいち早く反映した意欲作だ。

 そして、本作で波瑠演じるヒロイン役の相手役として名乗りを上げているのが、“あおちゃん”こと青林風一を演じる松下洸平だ。松下は、本作のオリジナル脚本を手掛ける水橋文美江が脚本を担当し、今年3月まで放送されていた朝ドラ『スカーレット』(NHK総合)で、ヒロイン戸田恵梨香の相手役を好演しブレイク。その後も、『MIU404』(TBS系)、『東京タラレバ娘2020』(日本テレビ系)、『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)などの作品に出演する度にインパクトを残し、舞台で培ってきた芝居の巧さや、「作り込むタイプの演技ではない、自然な人」という印象で人気を博している。

 今回リアルサウンド映画部では、そんな松下の初となるラブコメ作品への挑戦、朝ドラ以降に考えていることについて話を聞いた。

「あおちゃんはすごくのんびりしてる」

――『#リモラブ』で演じているあおちゃんは、松下さんから見てどんなキャラクターですか?

松下洸平(以下、松下):良くも悪くもですけど、あおちゃんはすごくのんびりしてるんですよね(笑)。そういうおっとりしているところは、僕自身も似ているなと思います。それと彼は、何事に対しても、フラットに接することができる人だなと思います。それは人に対しても、物とかに対してもそうで。協調性のある人で、自分の考えにこだわりすぎないから、間に立つことが多いのかなって。朝鳴部長(及川光博)とごもちゃん(間宮祥太朗)の間に立ったりとか、美々先生(波瑠)と岬さん(渡辺大)の間に立ったりとか。中間にいて両方が見られるような人なので、演じていてそこは見習いたいなと思いますね。

――普段の松下さんは間を取り持つようなポジションではない?

松下:必要に応じて心掛けてはいるんですけど、ものを作る仕事の人って、固執する部分も絶対に必要だと思うんです。自分なりのこだわりや、自分で自分を信じている価値観みたいなものがないと、すごくふわっとした存在になってしまいそうなので。僕自身は、しっかり間も見れるようになりたいなとも思うけど、しっかり頑固な部分も持ちながら、役作りしていると思います。

――あおちゃんの恋愛の仕方についてはどう思ってますか?

松下:いやぁ、なかなかいないタイプですよね(笑)。特に、真面目過ぎるがゆえに、通常のスピード感ではない。我孫子ちゃん(川栄李奈)に対しても、きちっと段階を踏まないと前に進めない。きっとこういう人もいるだろうと思って演じていますけどね。いい言い方をすると、とても丁寧ですよね。

――長文のメッセージとか丁寧ですよね(笑)。

松下:(笑)。でも、もう少し一般論というか、一般女性からしたら、「遅っ!」っていうところが大いにあるんだろうなと思いながら演じています。

――第4話で、あおちゃんの「本当の好きっていうのはなんですかね?」という疑問に対しての富近先生(江口のりこ)が返した答えがとても印象的でした。松下さんが考える“本当の好き”はどういうものですか?

松下:僕は、この水橋さんのセリフを読んだときに、すごく共感しました。時に、恋愛だけじゃなくて自分が何に向いているのかとか、本当にしたいことってなんだろうって悩む瞬間って、僕にもありますし、みんなにもあると思うんです。そういう自分で自分のことを測るときに、この考え方がいいものさしだなと思いました。結局、自分のことは自分にしかわからないじゃないですか。

ーそうですよね。自粛期間中に考えた人も多そうだなと思います。

松下:例えば、第4話のあおちゃんみたいに、「僕って誰のことが好きなんですかね?」って人に相談しても、それはあおちゃんにしかわからないことですし。僕もこれに当てはめて考えてみたんです。自分の心の中から、なかなか出ていってくれないもの、それが好きということ。そう考えたときに、すごく明確になったというか。僕で言えば、お芝居が好きだという思いだったり、家族や友人、どれにも当てはめられることですね。まさに、心の中から出ていってくれないことが、本当に好きということなんだろうなって思いましたね。

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