『スーツ2』織田裕二らファームメンバーVS吉田鋼太郎の最終決戦へ 「倍返し」に匹敵の名台詞も

 大手食品メーカー「フォルサム食品」の女性社員に対する昇進差別をめぐる集団訴訟が動き出し、フォルサム側の代理人弁護士が聖澤敬一郎(竹中直人)から上杉(吉田鋼太郎)へと交代。いよいよ上杉との最終決戦の幕が開けられた10月12日放送の『SUITS/スーツ2』第14話は“最終回前編”と銘打たれた決勝ラウンドの第1回戦。上杉の奇襲攻撃によって、甲斐(織田裕二)たちは思わぬ窮地に追い込まれることになる。

 原告代表の井口(安達祐実)へのヒアリングにやってきた上杉は、そこで突如として甲斐と幸村(鈴木保奈美)に訴状を突きつける。それはかつて、上杉との不倫が原因でファームを解雇された尾形(松本若菜)を原告とした不当解雇訴訟。しかも上杉は、自身がファームを追われた際に幸村と交わした秘密保持契約という切り札を隠し持っていた。上杉がファームで関与した一切の行為を第三者へ口外することができず、違反すれば違約金の発生に加え、上杉がファームを去る決定も白紙に戻される。それによって不倫と横領を根拠にできない圧倒的不利のなか、和解を提案する甲斐だったが、幸村は断固として戦うことを選ぶのだ。

 上杉が離脱したことをきっかけに、シニアパートナーからアソシエイト、パラリーガルまであらゆる戦力が離脱し、さらには資金難にまで陥ったファームにさらなる追い討ちをかける上杉の作戦は、この不当解雇訴訟をけしかけることで「フォルサム訴訟」への準備を進めさせないことに他ならない。しかも秘密保持契約を巧みに使い、女性差別のために動き出した幸村自身が、過去に尾形を個人的な感情で解雇したという女性差別を行っていたとメディアを通して印象付ける。さすがは上杉と脱帽してしまうほど巧妙なやり口であり、第10話のラストでファームを去る際に呟いた捨て台詞がここに繋がっていたのだ。

 そうなれば、なんとしても上杉の息の根を止めたい甲斐たちがどのように動くのか。その策はまさに“善をもって悪に勝つ”と言わんばかりの徹底的なファインプレーに尽きる。上杉と尾形の不倫を口外できないのであれば、第三者によって証言させる。大輔(中島裕翔)をはじめとしたアソシエイトたちはもちろん、蟹江(小手伸也)や藤嶋(上白石萌音)らも手を組みながら、ファーム一丸となって立ち向かう姿は、実にクライマックスらしい展開だ。

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