『やまとなでしこ』が令和の時代に復活! 大人になって気づく、“合コンの女王”桜子に宿る夢と希望

 20年前の名作『やまとなでしこ』(フジテレビ系)が令和の世に帰ってきた。平均視聴率26.4%、最高視聴率は34.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を叩き出し、2000年以降のフジテレビ系の恋愛ドラマ歴代トップ。2000年以降の同局系ドラマとしても歴代2位に君臨する、正真正銘のラブコメの最高傑作である。

 筆者も含めて現在アラサー女性は放送当時10歳前後。本作が、恋愛や東京の何たるかを見せつけてくれたと言っても過言ではない。また同世代では、この作品を観て主人公の職業である客室乗務員に憧れを抱いた女性陣も少なくないだろう。

 さて、本作を観て育った女子たちが、主人公・神野桜子の年齢27歳に到達した今(桜子を演じた松嶋菜々子自身も当時28歳だった)、我々の目にこの作品はどんな風に映るのか。因みに、桜子は27歳という年齢を「女が最高値で売れるのは27歳。それを超えたら値崩れを起こす」と言い放っていた。

 主人公・桜子は玉の輿を虎視淡々と狙うCA、またの名を「合コンの女王」。毎夜、後輩を引き連れて合コンに参加しては、さらなる高み、つまり高スペック男性との出会いを目指して駆け引きを繰り広げるさまは、戦である。実際はボロアパートに住みながらも、自身の持つ美貌と抜群のスタイルをさらに引き立ててくれる最新のファッション、ヘアメイクなどに投じるお金(彼女にとっては必要経費だろう)に糸目を付けず、完璧に着飾って臨む合コンは彼女のステージで、正に「女は女優」を地で行っている。その意気込みたるや生半可なものではない。だから、彼女たちが合コンに向かう姿は美しいのはもちろんだが、圧倒的であり勇ましくもある。そこでの桜子の立ち振る舞いも計算し尽くされており、彼女の策士ぶりには目を見張るものがある。

 ただ、「婚活女性」という観点から見ると桜子は実はしたたかでもないようにも思える。こと、自分がずっと追い求めていたサラブレットの証「馬主のピン」を付けた中原欧介(堤真一)に向き合ったからというのもあるかもしれないが、こんなにも女性主導で自分の思いや願望をはっきりと主張できるのはお見事だ。

 「婚約者と別れたところなんです。あなたと巡り会えたから」なんてセリフも迷いなく伝える。そして、相手のテリトリーにもドカドカと踏み入れ、欧介のお屋敷だと思っていた豪邸にも臆することなく立ち入っていく。彼が「お金より心が大事」と伝えたときも、「お金よりも心が大事? わたし、貧乏なんて大っ嫌い!」とうっかり本音を吐露していた。

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