本作の面白いところが、映像の豪華さです。最初は事件解決を目指すサスペンスものかと思いきや、場面写真からもわかるようにとんでもないアクションの応酬が始まり、さらには世界を飛び回ってのラブロマンスと、様々な要素をごった煮にし、さらにそれが不協和音を感じさせる暇もなくスクリーンで暴れまわっているのです。さらには、劇中の節々から感じる様々なアクション映画へのオマージュやリスペクトの数々。映画ファンならたまらない多幸感を得られることでしょう。インド映画と聞くと、いまだに抵抗を感じる方はいるかもしれません。しかし、ハリウッド映画に通底する空気を纏う本作は、インド映画の入門としてもオススメできます。

　気づいたらとんでもない場所に飛ばされている本作。普段観ている映画とは一線を画した、新鮮な楽しさを堪能してください。もちろん、政府の要請に従った上で、充実した映画ライフを。『サーホー』に備えて、この週末で『バーフバリ』シリーズを配信で復習しておくのもオススメですよ！

■公開情報
『サーホー』
3月27日（金）新宿ピカデリーほかにて公開
監督：スジート
出演：プラバース、シュラッダー・カプール、マンディラ・ベーディー、ニール・ニティン・ムケーシュ、ジャッキー・シュロフ、チャンキー・パーンデーほか
配給：ツイン
2019／インド／原題：SAAHO／5.1ch／169分
公式サイト：https://saaho.jp/