「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『ヲタクに恋は難しい』『37セカンズ』
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、ブサカワヲタクの大和田が2本のイチオシ作品をプッシュします。
『ヲタクに恋は難しい』
監督を務めるのは『勇者ヨシヒコ』シリーズ、『銀魂』シリーズの福田雄一。山崎賢人×福田雄一のタッグは2017年公開の『斉木楠雄のΨ難』が代表作であるが、今回も福田監督は、クールなキャラクター宏嵩が恋に悩む内面を表現する山崎を、巧みにカメラに収めている。
本作にはオリジナルキャラクターが登場し、キャスト陣が歌い踊るシーンが満載など、漫画とアニメとはまた別の作品に仕上がっている印象を受けた。福田監督は一番苦労した点として、「ヲタクな人にもヲタクじゃない人にも観てもらえる映画にしなきゃなと思った」(プレス資料より)と挙げている。ガチ腐女子、古参声優ドルヲタなど、ヲタクキャラを増やしたことで、幅広いジャンルのヲタクの層に楽しませる要素を加えている。また、映画版では、成海(高畑充希)の側には何のヲタでもない森田(今田美桜)がいることで、ヲタク気質がない人との違いが常に浮き彫りになり、面白さを与え、ヲタクではない側の観客は森田の視点で楽しむことができる。
また、「人気漫画の実写映画」よりも「ミュージカル映画」のインパクトが強い。本編が始まって間も無く、高畑と山崎がたくさんのダンサーに囲まれて東京ビッグサイトの前で踊り、1曲を通して歌い上げる。豪華なオープニングだなと観続けていると、次々とキャラクターたちが歌って踊るシーンが挟まれ、1曲まるごと歌い上げるのだ。そしてそれらの楽曲は全てオリジナル曲で、『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの鷺巣詩郎が手がけている。エンディング曲はまさに『エヴァ』を彷彿とさせる音楽で、ところどころに福田監督の遊び心が散りばめられているようだった。兼ねてから定評のある高畑のパフォーマンスはもちろん、山崎の歌声がたっぷりと聞けるのはなかなか貴重な機会かもしれない。
また、お馴染みの福田組常連メンツ、佐藤二朗、ムロツヨシ、賀来賢人が開くプチ劇場も堪能してもらいたい。