本作はいわゆる超大作ではないかもしれない。しかし、芸達者な面々の好演と、ジャンルに忠実であり続ける脚本と演出によって、新世代の『ミナミの帝王』と言うべき独特の魅力を得ている（変な話だが、早く平日昼に地上波の映画劇場で観たい）。何か凄そうな骨董に関する専門用語、勧善懲悪、ユーモア、人情、男同士の関係性スパーク……などなど、盛りだくさんの要素をコンパクトにまとめた心地よい1本だ。

■加藤よしき
昼間は会社員、夜は映画ライター。「リアルサウンド」「映画秘宝」本誌やムックに寄稿し
ています。最近、会社に居場所がありません。Twitter

■公開情報
『嘘八百 京町ロワイヤル』
TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中
出演：中井貴一、佐々木蔵之介、広末涼子、友近、森川葵、山田裕貴、坂田利夫、前野朋哉
、木下ほうか、塚地武雅、竜雷太、加藤雅也
監督：武正晴
脚本：今井雅子、足立紳
音楽：富貴晴美
配給：ギャガ
制作プロダクション：アークエンタテインメント
(c)2020「嘘八百 京町ロワイヤル」製作委員会
公式サイト：https://gaga.ne.jp/uso800-2/