『スカーレット』死してなお浮かび上がる常治の存在感 一方、八郎に迫る三津の思惑はいかに?

 一方、才能と優しさが生んだ喜美子と八郎(松下洸平)の溝はさらに深いものに。そこに割って入るのが弟子の三津(黒島結菜)。喜美子に告げる「私も先生みたいな人好きになりたいなぁ」、八郎への「私のこと女だと思ってたんですか?」「大丈夫じゃないかも。5泊もいたら先生のこと襲っちゃうかも」。素直過ぎるが故に、相手の気持ちを推し量ることができない三津は、2人の仲を確実に掻き乱していく。三津は百合子ら川原家からは「ミッちゃん」、喜美子からは「三津」、しかし八郎からだけは「松永さん」と呼ばれている。過去に、八郎は喜美子を弟子とした時に、「川原さんは女。気軽に名前では呼べません」と自身のポリシーを明かしていたが、この苗字呼びがまさか三津との仲にまで及んでくるとは誰が予想していただろうか。

 第16週「熱くなる瞬間」では、喜美子が工房に穴窯造りを決意する。第15週のラストでは夫婦ノートに「新しい作品、作る」と書き記していた喜美子。予告では「あの気持ちを残したい。いつか叶えたい、うちの夢や」と話す姿も。一方で「松永さん、なんか感じ変わった?」と話す八郎と三津の仲はより親密に。喜美子の中で熱くなる作品作りへの思い、八郎の作陶への執着心はさらに乖離していく。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『スカーレット』
2019年9月30日(月)〜2020年3月28日(土)放送予定(全150回)
出演:戸田恵梨香、富田靖子、大島優子、林遣都、松下洸平、黒島結菜、伊藤健太郎、福田麻由子、マギー、財前直見ほか
脚本:水橋文美江
制作統括:内田ゆき
プロデューサー:長谷知記、葛西勇也
演出:中島由貴、佐藤譲、鈴木航ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/scarlet/

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