『シャーロック』インタビュー

ディーン・フジオカが仕掛けた『シャーロック』オープニングタイトルの秘密 「お約束のようなもの」

「ツッコミのキレの良さが岩ちゃんの魅力が光る」

――バディである若宮との関係も第1話に比べたらどんどん変化していますね。

ディーン:若宮がだんだんと獅子雄を受け入れていっていますよね。獅子雄のような人は周りを振り回すし、面倒臭い。憎まれ口を叩きながらも、そんな獅子雄を受け入れていく若宮の変化が、この作品の謎解き以外の部分でもう一つのストーリーとして進行してきたのかなと思います。若宮が今後どんな未来を歩むのかはわかりませんが、獅子雄が教えてきたことの蓄積があるから、若宮は一人の探偵として一人前に育っていけるんじゃないかと思います。

――相棒の岩田さんの俳優としての魅力をどう感じてますか?

ディーン:やっぱりツッコミのキレの良さが岩ちゃんの魅力が光るところだなと思います。この作品を良くしたい! というすごく一生懸命な姿を見ていますし、努力しているのが伝わってきます。脚本に書かれていることはもちろんですけど、その他の部分で彼なりに色々と考えてセリフを変えてみたり、他の言葉を足してみたり、そういう姿を日々横で見ていて、自分にとっても他のキャストにとってもいい刺激になっているんじゃないかと思いますね。

――各回を通してたくさんのキャストが出演しました。印象に残ったゲストはいますか?

ディーン:全部の回で、それぞれ難しかったことや、やりがいのある掛け合いがあって答えられないですね。毎話の感想としては、全部のシーンで、何かしら難しい部分があって、楽なものはひとつもなかった。毎話、“ここが一番の決め所”というパンチラインみたいなシーンがあったのですが、そこはいつも難しいセリフが多かったし、長くて。ガーッと勢いで撮っていくので、とても集中力が必要でした。落ち着いたら、その全てを解説したいくらいです(笑)。

――『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』に続いて、『シャーロック』と古典文学シリーズへの思いはいかがですか?

ディーン:この古典名作シリーズ枠みたいなのが、『シャーロック』の続編という形でもいいですし、なにかまた別の作品になっても、そういう“縁がつながっていく”ような一つのムーブメントになるといいなと思います。

――最終回を目前に視聴者へのメッセージをお願いします。

ディーン:色々な作品との関わり方があると思います。TVだけではなくFODやTVerなど、どんなデバイスで観るのかわかりませんが、一人でも多くの方に見てもらいたいという思いで作品を作っています。面白いと思っていただけたら、ぜひ声を大にして周りに伝えてもらいたい。それが次に繋がったり、何か新しい物語を作る原動力になるので。それは気持ち的な意味でも、現実的な意味でもです。だから“いい”と思ってもらえたら、それを“いいぞ”と言語化してもらえたら嬉しいですし、ネット上でも口コミでも「ここがダメ」だと言うのもアリだと思います。みんな本気で毎日戦っているので、批判も含めて、とにかく賛否両論いただけて、記憶に残れたら嬉しいです。

(取材・文=Nana Numoto)

■放送情報
『シャーロック』
フジテレビ系にて、12月16日(月)21:00~22:24最終回放送。
出演:ディーン・フジオカ、岩田剛典、山田真歩、ゆうたろう、佐々木蔵之介ほか
原作:アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ』シリーズ
脚本:井上由美子
プロデュース:太田大
演出:西谷弘、野田悠介、永山耕三
制作・著作:フジテレビ第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/sherlock/

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