『シャーロック』インタビュー

ディーン・フジオカが仕掛けた『シャーロック』オープニングタイトルの秘密 「お約束のようなもの」

 いよいよクライマックスに突入する『シャーロック』(フジテレビ系)。古典名作の実写ドラマ化で数々の主演を務めてきたディーン・フジオカが、癖の強い主人公・誉獅子雄をミステリアスに、時にユーモラスに演じてきた。バディの若宮(岩田剛典)との掛け合いで視聴者を虜にした彼は、最終章を目前に何を思ったか。撮影現場でインタビューに答えてくれた。

「衝動に素直なところはすごく羨ましい」

――撮影開始から数カ月経ち、長い間、獅子雄を演じてきましたが、役の捉え方に変化はありましたか?

ディーン・フジオカ(以下、ディーン):始めたばかりの時は、みんな手探りで、心のどこか“に今までのシャーロック像に似過ぎないぞ!”という気負いがあったと思います。それはどのスタッフ・キャストにも言えることで、プロデューサー側にも、演出側にも、もちろん自分にもありました。でも今、そういうのはもう僕にはないですね。多分、なんとなく獅子雄というキャラクターを生き始めてきて、「これ、獅子雄っぽいよね」ていうのが明確になってきたからだと思います。だからこそ、あえてらしくないことを怖がらずにチャレンジできるようになりました。

――獅子雄の魅力をどう感じていましたか?

ディーン:演じる中で、思っていたキャラクターと違ったな、と感じることもあるんです。でも、ちょっとした違和感みたいなものがサプライズになったり、魅力的な要素になっているところもあって。そういう部分を毎話重ねていく中で、思ったよりも自由なキャラクターなんだなと気づくこともありました。

ーーオープニングのタイトルへの遊び心など、視聴者が見ていて楽しめるポイントが随所に仕掛けられていますね。

ディーン:オープニングのタイトルは毎回書いていたのですが、あれは一つの決め事として続けていました。ある種、お約束のようなものです。でも、毎回同じようにただ書いているだけだと、自分も面白くないので「そういうアプローチがあるんだ」と色々な発想を試して、提案したり実際にやってみるようにしていました。こういう状況では、獅子雄はこういう風にするんだと、“獅子雄らしさ”の発見を積み重ねてこれた。だからこそ、今はもうあまりシャーロック・ホームズを意識することがなくなりました。それが一番大きな変化です。

――バイオリンのシーンも毎回とても印象的でした。

ディーン:バイオリンは全くの素人だったので、自分にとって一つの大きなチャレンジになりました。実は与えられた曲は、先生からも「プロでも弾きたくない」と言われるような難しい曲だったんです。技術的にも色々な挑戦があって、すごく鍛えられましたね。

――ディーンさんが感じる、獅子雄を愛せる部分はどこですか?

ディーン:意外と獅子雄は正直でシンプル、わかりやすいキャラクターなんです。興味の対象や、自分が持っている衝動に素直なところは、すごく羨ましいなと思います。芝居をしていても、いい意味で遊び心があるキャラクターで良かったなと思いました。若宮や江藤(佐々木蔵之介)との掛け合いでは、現場でも常に笑いが起こるような空気感ができ上がっていて。真面目に、科学的に、論理的に、謎を解いているだけじゃなくて、周りとそういう掛け合いのできるキャラクターだったのが愛せるポイントだなと感じますね。

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