構想30年、企画頓挫9回の“呪われた企画”がついに! 『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』来年1月公開
構想30年を掛け、9回も企画が頓挫した『The Man Who Killed Don Quixote(原題)』が、『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』の邦題で2020年1月24日に全国公開されることが決定した。
第71回カンヌ国際映画祭のクロージングを飾った本作は、スランプに陥ったCM監督トビーが、10年前に撮影した映画『ドン・キホーテを殺した男』でドン・キホーテ役に抜擢した老人ハビエルと再会したことで、奇怪な旅路に巻き込まれていく模様を描いた物語。
企画頓挫をするあまり、『ロスト・イン・ラ・マンチャ』としてその過程をドキュメンタリー映画として上映するほどにもなった異色の本作。ジョニー・デップやユアン・マクレガーなど錚々たる俳優たちが決定しては消えた主人公トビー役を最終的に射止めたのは、『パターソン』や『ブラック・クランズマン』、そして新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』など話題作に出演するアダム・ドライバー。
自身をドン・キホーテと信じる老人ハビエル役を、『ゲーム・オブ・スローンズ』に出演し、テリー・ギリアムとは『未来世紀ブラジル』など4度目のタッグとなる大ベテラン俳優ジョナサン・プライスが演じる。また、トビーのボスを『パイレーツ・オブ・カリビアン』『アベンジャーズ』といった超大作シリーズに出演するステラン・スカルスガルドが演じ、ボスの妻でトビーを誘惑するジャッキ役を『007/慰めの報酬』『オブリビオン』などのオルガ・キュリレンコが務める。さらに、ポルトガルの新進女優ジョアナ・リベイロ、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』のオスカル・ハナエダ、『ハリー、見知らぬ友人』のセルジ・ロペスらが脇を固める。そして、1989年の構想開始から約30年をかけて本作を完成に導いたのは、モンティ・パイソンのメンバーとしても知られる、テリー・ギリアムだ。
2000年にスペイン・マドリードで撮影が始まるが、撮影現場周辺を軍用戦闘機が飛び交い、あえなく中断。さらに鉄砲水に襲われ撮影機材が流出し、景色も様変わりしてしまう悲劇に見舞われる。なんとか撮影を続けようと試みるが、ドン・キホーテ役のジャン・ロシュフォールが腰痛を訴え、歩くことも不可能になり企画が頓挫。その後も資金繰りやキャスティング、権利関係の問題により幾度と企画が頓挫しては、不屈の精神で再び立ち上がり、ついに劇場公開にたどり着いた。
公開されたポスタービジュアルには、一本の映画により人生が大きく変わってしまったハビエルやトビーだけでなく、幾度となく企画が頓挫し、人生が狂わされたギリアム自身も暗示するかのような「映画が、全てを狂わせる」とキャッチコピーが添えられている。そして、ドン・キホーテが木馬にまたがり、空に剣を掲げている姿が神々しく描かれ、ドン・キホーテの夢想の象徴ともいえる風車と巨人や、巨大な掌に立ちすくむトビーの姿が描かれている。
■公開情報
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』
2020年1月24日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督:テリー・ギリアム
出演:アダム・ドライバー、ジョナサン・プライス、ステラン・スカルスガルド、オルガ・キュリレンコ、ジョアナ・リベイロ、オスカル・ハエナダ、ジェイソン・ワトキンス、セルジ・ロペス、ロッシ・デ・パルマ、ホヴィク・ケウチケリアン、ジョルディ・モリャ
脚本:テリー・ギリアム、トニー・グリゾーニ
製作:マリエラ・ベスイェフシ、ヘラルド・エレーロ、エイミー・ギリアム
配給:ショウゲート
2018/カラー/5.1ch/スペイン・ベルギー・フランス・イギリス・ポルトガル/スコープ/133分/日本語字幕:松浦美奈/原題:The Man Who Killed Don Quixote
(c)2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mató a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU
公式サイト:donquixote-movie.jp