『スカーレット』笑いで不幸を吹き飛ばす! 戸田恵梨香のがむしゃらな生き様

 実家の困窮を知り、困惑する喜美子(戸田恵梨香)だが、父の残した大量のツケを前に思わず大笑いしてしまう。連続テレビ小説『スカーレット』(NHK総合)第33話では喜美子のどんな時も悲観的にならず、前向きに乗り越えようとする姿が描かれた。

 信楽に呼び戻された喜美子だが、知らない間に、川原家は思ってもいないほど困窮していた。喜美子は常治(北村一輝)のツケを数えながら、そのあまりの量に思わず笑い出してしまう。するとマツ(富田靖子)がさらに1円のツケを出してきて喜美子はまた笑ってしまうのであった。半ばやけっぱちの喜美子の笑い声だが、生活の苦しさに重々しかった川原家の空気は一変する。つられてマツも笑い、状況の苦しさを吹き飛ばすように笑い声が響く。そもそも常治に言われて大阪でお金を稼いでいた喜美子だが、川原家がどうにも立ち行かなくなって常治は喜美子を信楽に連れ戻した。

 しかし直子(桜庭ななみ)は「大阪に帰れ」と信楽での出来事を知らなかった喜美子に暴言を吐く。家族のために働きに出ていた喜美子は、いつのまにか川原家の苦労を知らず大阪で自由に暮らしているかのような言われようになってしまう。喜美子は徐々に、家族でありながらも家族との生活から距離が空いたように感じてしまうのだった。それは喜美子の生活拠点と信楽の物理的な距離ではなく、喜美子が自立して一人で生活していける女性になりつつあるということだろう。一家は喜美子を頼らずには暮らせなくなってしまった。

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