『なつぞら』広瀬すず、草刈正雄ら“全ての開拓者”たちに乾杯! 第1回とリンクした見事な最終回

 『なつぞら』(NHK総合)が最終週「なつよ、あっぱれ十勝晴れ」にて、全156回の物語に幕を閉じた。『なつぞら』は、アニメーションの世界に人生をかけていく、なつ(広瀬すず)にスポットを当てながら、開拓者たちの魂を描いた作品だ。

 一人で十勝に移住し開墾を成し遂げた泰樹(草刈正雄)の魂は、すでになつの中で生きている。穏やかに自身の死期を悟る泰樹は、なつにそう告げ、亡くなった天陽(吉沢亮)の名前を挙げる。なつと天陽がどこにいたって繋がっていられるように、これからは泰樹ともそんな関係性になると。清々しい表情で伝える泰樹に、なつから飛び出すのは久々の「じいちゃん、大好き」。驚きからか、あまりの嬉しさになのか、泰樹はそのまま天陽の魂が染み込んだ畑に転がり込み、なつと笑い合う。きっと、天陽もその話を聞いて爽やかな笑みをこぼしていることだろう。

 『なつぞら』は、人との出会いと関わりのなかで、一人ひとりが人生を見いだしていく物語でもあった。なつはアニメ『大草原の少女ソラ』の完成を受けて、たくさんの出会いがなければこの作品はなかったと、マコプロダクションの製作陣に向け「全ての開拓者に乾杯!」と挨拶をした。最終回の第156回では、富士子(松嶋菜々子)が坂場(中川大志)に、照男(清原翔)が砂良(北乃きい)に改めて感謝を伝え、千遥(清原果耶)と千夏(粟野咲莉)が東京に帰るのを柴田家の人々が我が子のように惜しんでいた。そうした人から人への思いやりがあって、また人は成長し前へ進んでいけるのだと、改めて考えさせられた。

 もちろん、なつと坂場の関係性もそうだ。アニメーションや子育ての中で、困難と苦悩を乗り越えて、同じ方向を進んできた2人。「君と出会っていなければ僕の未来はつまらないにちがいない」「私もきっとあなたと出会っていなければこんなに面白くなかったと思うわ」。そう言って、2人は優(増田光桜)を連れて、また家族の夢を描いていくことを誓う。ありえないことも本当に実現してきた彼らなら、どんな未来も超えていける。

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