マックス・チャンがMVP!? 『大脱出3』から感じるシルヴェスター・スタローンら作り手たちの意地

 もちろんスタさんも、マッチャンに映画を任せっぱなしではない。「向こうがマスターZなら、オレはランボーでロッキーさ」と言わんばかりに、ナイフ片手の残虐ゲリラ戦&鉄拳説教で魅せてくれる(バウティスタも打った相手が全焼する超強力銃をブッ放す)。最後のスタさんの台詞も味わい深い。最大の問題点として、こうした個性豊かな大暴れが始まるのが映画の終盤なので、その間けっこうな“待ち”が発生することだが……律儀にずっと出演してくれる50CENTことカーティス・ジャクソンに免じて、今回は目をつぶろうと思った。

 本作はいろいろな意味で問題がある映画だ。現場で何かが起きていたのは間違いないだろう。しかし、そんな混乱の中だからこそ「ばってん、ここだけは絶対に守るばい!」というスタさんを筆頭にした作り手たちの意地を強く感じる。楽な仕事なんてない。仕事が上手くいくとも限らない。けれども頑張った跡は残る。日々の生活で忘れがちなことを垣間見たような気がした。

■加藤よしき
昼間は会社員、夜は映画ライター。「リアルサウンド」「映画秘宝」本誌やムックに寄稿しています。最近、会社に居場所がありません。Twitter

■公開情報
『大脱出3』
9月27日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー
出演:シルヴェスター・スタローン、デイヴ・バウティスタ、マックス・チャン、ハリー・シャム・Jr、デヴォン・サワ、マリース・ジョー、ジェイミー・キング、カーティス・“50セント”・ジャクソン
監督:ジョン・ハーツフェルド
配給:クロックワークス
協力:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2019年/アメリカ/原題:Escape Plan: The Extractors
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公式サイト:http://klockworx-v.com/escapeplan3/

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