Hey! Say! JUMP 山田涼介の真骨頂 『セミオトコ』が映す“アイドルとファン”の生き様

 作り手の愛情あふれる眼差しで紡がれた、優しい世界。セミオを介して、孤独だったおかゆは周囲と繋がり、生きていく希望をもらう……それは、そのままアイドル山田涼介とファンの生き様を見ているかのようだ。

 「うれしいな。おかゆさんが笑うと、僕はうれしいです。それが僕の幸せです」というセミオの言葉は、きっと山田涼介がファンに向けた本心ではないだろうか。アイドルがアイドルとして活動できるのは、ファンがその存在を見つけて応援してくれればこそ。そしてアイドルは、そのファンを笑顔にするべく活動を続ける。

 セミの命に限りがあるように、アイドルも永遠に同じような活動が続くわけではない。いつかはステージを降りる日が来る。長い目で見れば、アイドルとファンの関係も期間限定の恋物語なのだ。いや、もしかしたらアイドルとファンだけではなく、全ての恋が期間限定なのかもしれない。

 どれだけの時間を一緒に過ごしても、いつか必ずくる別れのときを想像すると涙がこみ上げてくる。その時間が幸せであれば、なおさら。「1週間“しか“いられないの?」「1週間“も”いられるよ!」ならばセミオのように、一瞬一瞬にありったけの愛を注いで生きるしかない。このドラマの作り手のように。それを見て全力で胸をときめかせる視聴者のように。そして、誰よりもファンの幸せを願う山田涼介のように。“今週も愛する人に精いっぱいの愛を伝えられたか“。金曜夜にそんな振り返りをしながら、悔いのない日々を過ごすヒントをくれる作品だ。

(文=佐藤結衣)

■放送情報
金曜ナイトドラマ『セミオトコ』
テレビ朝日系にて、毎週(金)23:15~0:15放送
※一部地域で放送時間が異なる
出演:山田涼介、木南晴夏、今田美桜、三宅健、山崎静代、やついいちろう、北村有起哉、阿川佐和子、檀ふみ
脚本:岡田惠和
監督:宝来忠昭、竹園元(テレビ朝日)
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:服部宣之(テレビ朝日)、布施等(MMJ)、本郷達也(MMJ)
制作:テレビ朝日、MMJ
(c)テレビ朝日

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