中川大志の「あなたを信じます」 『なつぞら』広瀬すずと互いを高め合うパートナーに

 グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』をベースにして、オリジナル短編アニメーションの制作に挑むなつ(広瀬すず)たち。意気揚々と取り組み始めたものだが、やがて、どうにも行き詰まってしまう。

 そんな『なつぞら』(NHK総合)第88話では、悩む一同の中で、坂場(中川大志)が作品内の「森」という存在の重要性について語る。そしてなつとの徹夜での共同作業の末、なんとか一筋の光を見つけるのだ。

 大器の予感のする新人アニメーター・神地航也(染谷将太)のいくつもの鋭い発案により、とんとん拍子で進んでいったものの、制作の期限が刻一刻と迫る中、なかなかその後の良いアイデアが浮かばない一同。“生み”の苦しみである。

 そこで演出の指揮を執る坂場が、『ヘンゼルとグレーテル』の兄妹が逃げ込んだ「森」の重要性を説く。彼いわく、「子どもたちが、森をいかに信じられるか。それはつまり、自分の生きる場所、自分の生きる世界を信じられるかということ」に繋がる表現であるというのだ。

 そこで、なつは夜遅くまで会社に残り、十勝の森を思い出しながら、そのイメージをひたすら紙に描き写していく。そうこうしているうちに、疲れが溜まっていたのであろう彼女は夢の中へ。なつは冬の厳しい十勝の大地で遭難してしまうが、なんと彼女を救い出すのが、あの坂場なのである。もうここまでくれば、彼のことを異性として意識せずにはいられないのではないだろうか。なにせ、夢にまで出てきたのだから。

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