窪田正孝が『ラジエーションハウス』最終話で迎えた新たな門出 “約束の結末”は特別編へ
唯織がさらなるキャリアアップに向かい、甘春総合病院の面々はそれを前向きに見送った。それぞれが「戻ってこい」というメッセージを込めた言葉で唯織を送り出す。居場所のなかった青年が、約束を守るためだけに努力してきた結果、これだけ多くの大切な仲間ができた。
唯織は少し変わり者だが、まっすぐで前向きだ。むしろ、まっすぐで前向きすぎる故に変人なのだ。しかし甘春総合病院のラジエーションハウスは、唯織の”いいところ”を大切に伸ばしてきた。さらにそれぞれが唯織の良さを吸収して、誇りを持って働く放射線技師となる。医師陣もまた、唯織から影響を受けている。医師という立場に驕らず、真摯に患者や医療従事者と向き合う素直さを学んだ。最後に鏑木(浅野和之)は唯織に「戻ってこい」と言葉をかけ、傘を貸して別れる。貸すという行為には、必ず「返す」という行動がついている。鏑木は、唯織がまた「戻ってくる・返しにくる」ことを期待しており、そんな心中が内包されたシーンであった。
幼い頃の約束は忘れられていた唯織だが、杏とも新たな約束を交わす。杏との約束を糧に努力してきた唯織にとって、その新しい約束がどれほど活力になることだろうか。また、杏は、正一の治療の際に唯織に甘えてしまったことを気にかけて後悔していた。杏にとっても、1つ大きな壁を乗り越え、また前を向いて歩き出せる大切な約束になっただろう。そして杏は、かつての唯織のように、唯織の後ろ姿を写真に納めた。
作品終了後には2時間スペシャルの予告も公開された。来週もまた、唯織の活躍やラジエーションハウスチームのドタバタな日々に会える。まだ“ラジハロス”にならなくてすみそうだ。
■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter
■放送情報
『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』
フジテレビ系にて毎週(月)21:00~21:54放送
出演:窪田正孝、本田翼、広瀬アリス、浜野謙太、丸山智己、矢野聖人、山口紗弥加、遠藤憲一、鈴木伸之、浅野和之、和久井映見 ほか
原作:『ラジエーションハウス』(原作:横幕智裕、漫画:モリタイシ、GJ/集英社)
脚本:大北はるか
プロデュース:中野利幸
演出:鈴木雅之
制作著作:フジテレビジョン
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse/