後日談描いた『コンフィデンスマンJP 運勢編』はオマージュの嵐! ダー子の弟子・モナコの奮闘も

 豪華ゲスト俳優陣は広末だけではない。運を吸い取ると言われる悪徳投資家には北村一輝が、ボクちゃんが働き始めた遺品整理会社の社長を中山美穂が演じ、それぞれ妖しい魅力を放った。これだけの役者が揃うと、画面は一気に華やかになり、テンポのいい会話劇に個性的な役者のスパイスが加わり、ちょっとしたシーンですら思わず画面を見入ってしまう。広末の悲哀に満ちた表情や、中山の悪女ぶりは眼を見張るものがあった。しかしそんな中でも、ひときわ目立ちしっかりと先頭を走る長澤は、名実ともに『コンフィデンスマンJP』シリーズを引っ張る座長として申し分ないだろう。

 長澤といえば、清純、真面目といった印象の役が多いが、本作では思い切った顔芸やモノマネを見せている。今まで別の作品で見てきた長澤とのギャップに、『コンフィデンスマンJP』シリーズを観慣れていない人は驚くだろうが、”ダー子”という役は実はかなりのハマり役なのではないかと感じる。長澤の同世代でここまで思い切った芝居ができる女優はなかなかいない。さらにあれだけの俳優陣が出演していても、自身の力で作品を引っ張る度胸も素晴らしいと感じた。本作と映画では、ダー子に織田梨沙演じるモナコという弟子が出来ていた。作品、若手の役者たちを引っ張り続ける存在としてもこれからも輝き続けていくに違いない。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
フジテレビ開局60周年特別企画『コンフィデンスマンJP 運勢編』
出演:長澤まさみ、東出昌大、小手伸也、織田梨沙、小日向文世、
北村一輝、広末涼子、中山美穂
脚本:古沢良太
企画:成河広明
プロデュース:草ヶ谷大輔、古郡真也
演出:田中亮
制作・著作:フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/confidenceman_jp/

■公開情報
『コンフィデンスマンJP』
全国公開中
監督:田中亮
脚本:古沢良太
出演:長澤まさみ、東出昌大、小手伸也、小日向文世、織田梨沙、瀧川英次、Michael Keida 、前田敦子、佐津川愛美、岡田義徳、桜井ユキ、生瀬勝久、山口紗弥加、小池徹平、佐藤隆太、吉瀬美智子、石黒賢、竹内結子、三浦春馬、江口洋介
音楽:fox capture plan
主題歌:Official髭男dism「Pretender」
配給:東宝
製作:フジテレビ・東宝・FNS27社 
(c)2019「コンフィデンスマンJP」製作委員会
公式サイト:http://confidenceman-movie.com
公式Twitter:https://twitter.com/confidencemanJP

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