3月28日放送のフジテレビ開局60周年ドラマ『砂の器』で天才作曲家・和賀英良を演じる中島健人がクランクインした。

　本作は、1974年の映画化以降、たびたび映像化されてきた松本清張の同名作を生誕110年でもある2019年に、現代を舞台にして新しい解釈でドラマ化するもの。ベテラン刑事と父との“宿命”を背負う天才作曲家の攻防、そしてその作曲家が幼い頃生き別れた父との複雑でせつない“絆”を描く。天才作曲家・和賀英良を演じる中島は、捜査一課の刑事・今西栄太郎役で主演を務める東山紀之と父・本浦千代吉役の柄本明と初共演を果たす。

　クランクイン初日には、ドラマの冒頭シーンである和賀が人を殺めた直後の撮影が実施された。2018年ハロウィーン当日、東京・渋谷で血まみれのシャツに黒いマント姿で、仮装を楽しむ人たちであふれる街を駆け抜けるというシーン。車両通行止めにしたとある街で、仮装した多くのキャストがスタンバイする中、スタッフに拍手で迎えられた中島は笑みを見せ、「よろしくお願いいたします」とあいさつした。走るシーンをさまざまな角度で撮影し、「カット」がかかるたびに中島は丁寧にモニターをチェックしていたという。

中島健人 コメント

クランクインの感想

“ただ走っているシーン”なのでは、と思うかもしれませんが、今日こそが大事なんです。和賀英良が一番自分の体に入り込む瞬間を捉えるのは、初日にしかできない、と思っているので。人を殺害した直後で疾走するというのは、普通の走りとは違い“逃げる”という意味の走りで、自分も色々な役を演じてきましたが初めての感覚だったので、スリル感のある、ひりひりとしたクランクインとなりました。

監督からの話

監督は“『砂の器』は耽美で繊細な側面を兼ね備えた作品だ”とおっしゃっていたので、すべてにおいて繊細に取り組んでいきたいと思いますし、一分一秒でも逃したらいけない感覚がこの作品にはちりばめられているので、どの表情も見逃してはならないという気持ちで和賀を演じていきたいな、と。監督のお言葉を聞いて改めて感じました。

こまめにカットをモニターでチェックしていたことについて

ファーストカットが、初めて自分の中に和賀の魂が宿った瞬間なので、チェックしなくてはいけないと思っています。僕は関わる作品については、チェックはマストだと思っていますが、改めて和賀という役は繊細なので、細かくどういう表情していくべきか監督と話しながら毎回、丁寧に確認していきたいと思います。

白いシャツにマントという衣装について

これは、歴代の『砂の器』を映像化した作品のなかでも現代の感覚を取り入れた2019年バージョンと言えます。ハロウィーンの渋谷を疾走していく和賀のシーンは過去の『砂の器』にはないので、新鮮味もあると思います。映画の和賀の装いは白いタートルネックでしたが、今回は白いワイシャツ。白というところが共通しています。（血をつけて走るというシーンについて）作品的にも真っ白なものほど汚したくなるものなのでしょうか…。『砂の器』ファンの方にも、新しい和賀を楽しんでいただけるように尽くしたいと思います。

■放送情報
『フジテレビ開局60周年ドラマ 砂の器』
フジテレビ系にて、3月28日（木）19:57～2154放送
出演：東山紀之、中島健人、柄本明ほか
原作：松本清張『砂の器』（新潮文庫 上・下刊）
プロデュース：後藤博幸、荒井俊雄
脚本：小峯裕之
演出：河毛俊作
制作：フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト：https://www.fujitv.co.jp/sunano_utsuwa/