新田真剣佑×北村匠海×高杉真宙が語る、『十二人の死にたい子どもたち』で受けた同世代からの刺激

高杉「今まで経験してきた現場とは全く違った」

ーー撮影で印象に残っていることは?

新田:(橋本)環奈ちゃんが坂ちゃん(坂東龍汰)に怒ってた記憶しかない(笑)。

一同:(笑)。

北村:僕も坂東には怒ったよ(笑)。

高杉:みんなに怒られてる(笑)。

北村:同い年なんだけど、すっごい無邪気なんだよね。自分にはない、年相応なエネルギーがあって……。

新田:匠海はおじさんだもんね。

北村:おじさんになっちゃたので……(笑)。

新田:(北村を指差して)おじちゃんじゃん、(自分を指差して)おじちゃんじゃん、(高杉を指差して)おじいちゃんだからね。

一同:(爆笑)。

新田:この3人でいると本当におじいちゃんの集まりみたいな(笑)。

北村:あと、花ちゃんがすごかった。昔から知り合いで今回久々に会ったんだけど、半端ない女優さんだなと。現場でのスタンスが本当にストイックだし、終盤の花ちゃんとまっけんがぶつかり合うシーンなんかは、「この2人、ヤバいな」と素人みたいになっちゃって(笑)。

新田:あれは気持ちいいシーンだった。あとは(萩原)利久だね。利久がすっげーよかった!

北村・高杉:あ~よかった!

新田:この中で一番難しい、細かいところまで芝居をしなきゃいけない役だったと思うんだけど、やりすぎることなく、本当にいい塩梅で芝居をしていて。見ていてすごく気持ちよかった。

北村:この役は難しいよね。でも、役に悩んでいる素ぶりは全くなかったよね?

新田・高杉:なかったなかった。

北村:本読みの時からもう既に出来上がってて、天才なんだなって。

高杉:確かにずっと変わってなかったね。

北村:本読みってどこか探り探りのところがあるけど、利久はスッと1歩目から……。

高杉:もうゴールだったもんね。

新田:スタート、ゴール! みたいな(笑)。あと、一番笑ってたのは(吉川)愛ちゃんだね。

北村:そうそう。明るい髪の毛の2人(坂東龍汰と吉川愛)がすごく太陽みたいで。

新田:この中でずっと笑顔でいなきゃいけない愛ちゃんは辛かったと思うよ。あと(竹内)愛紗ちゃんもよかった。

北村:いいよね。

新田:とてもよかった!

ーーキャストの皆さんが“全員平成生まれ”というのも大きなポイントですよね。

北村:珍しいですよね。しかも本当に12人(+1人)しかいないですから。エキストラさんもいなければ、場所のシチュエーションも2、3個しかない。

新田:上映時間2時間のうち、1時間半は密室だからね(笑)。

高杉:ワンシチュエーションと言っても過言ではない。

北村:僕はこういう密室ゲーム系の映画が好きなんですけど、今回は本当に言葉でしか戦えない、ほとんど会話劇のようで。各々が自分の口から出る言葉で同世代のみんなと駆け引きしていく感じは、僕個人としても面白かったです。

新田:派手な動きがない分、言葉での展開がすごいから、今まで全く経験したことのない新しい現場だったね。

高杉:確かに今まで経験してきた現場とは全く違ったかも。

新田:また現場の雰囲気もそんな感じなんだよね。本当に密室のようで……。

北村:病室がちょっとどんよりしていて……。しかもずっとスタジオにいるとだんだん空気も薄くなってくるから、本当にそういう場所なのかなと思っちゃって。

新田:今その場に行ったら空気の重さに押しつぶされてしまいそう。その時はそれに打ち勝つものを持っていたんだなと思うと、それはすごいことだなと。

北村:ただ、現場の空気としては、ワイワイする人もいれば自分自身のお芝居に集中する人もいる感じだったよね。明るい太陽のような子もいれば、月のような子もいる。同じ世代の役者が12人も集まると、やっぱり各々の個性がすごくて。それがお芝居だけじゃなくて楽屋や休憩中の過ごし方にも出ていたんじゃないかな。

高杉:スタッフさんが明るかったから、そこには救われたよね。

新田:救われたね。それは結構大きかったと思う。

高杉:もしスタッフさんもピリピリしてて怒号も飛び交う感じだったら、もう現場にいられなかったかも。

新田:監督は“天の声”システムでね(笑)。

北村:撮影が始まる時と終わる時ぐらいしか姿が見えないという(笑)。

高杉:声だけで聞くとどんな風に思っているのかわからないけど、現場に来るとジョークを飛ばしたりニコニコしてたよね。

新田:基本的に天の声でコメントとか言わないじゃん。だから、たまに芝居が終わって言ってくれる「素晴らしい!」っていうの嬉しくなかった?

高杉:嬉しかった!

北村:ハンコを押された感じがしたね。

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