福山雅治×石田ゆり子、平野啓一郎の恋愛小説『マチネの終わりに』映画化 監督は西谷弘
芥川賞作家・平野啓一郎の小説『マチネの終わりに』が、福山雅治と石田ゆり子の共演で映画化されることが発表された。
原作小説は、平野が2016年に発表したラブストーリー。ともに四十代という独特で繊細な年齢を迎えていた、クラシック・ギタリストの蒔野聡史と、海外の通信社に勤務する小峰洋子の出会いから物語は始まる。初めて出会ったときから強く惹かれ合っていた2人だったが、洋子には婚約者がいた。世界を飛び回る仕事柄、そして時代という大きな波に翻弄され、蒔野と洋子の間にはすれ違いや思わぬ障害が生じ、ついに2人の関係は途絶えてしまう。互いへの想いを心の底にしまったまま、別々の道を歩む2人の運命が再び交わる日はくるのか。日本、パリ、ニューヨークを舞台に、切なくも美しい大人の愛が紡がれていく。
福山が演じるのは、主人公の天才クラシック・ギタリスト蒔野聡史。天才ギタリストとして名を馳せるも、現状の演奏に満足ができずに自分の音楽を見失っているという苦悩を抱える役に挑む。一方の石田は、フランスの通信社に所属するジャーナリスト・小峰洋子役に。婚約者がいるものの、蒔野と惹かれ合い叶わぬ恋に翻弄される女性ジャーナリストを演じる。海外が舞台となるため、英語やフランス語での演技も披露するという。なお、福山と石田はCMやバラエティ番組での共演はあるものの、俳優としては初共演となる。
監督を務めるのは、福山主演の『ガリレオ』シリーズや『昼顔』の西谷弘。「(福山雅治と石田ゆり子)初共演の二人がどんなハーモニーを奏でるのか。まるで指揮者のような想いで今から心躍らせています」と意気込みを語っている。
撮影は9月中旬から11月末にかけて、日本、パリ、ニューヨークで行われる予定だ。
福山雅治(蒔野聡史役)コメント
「それでも、人は人を愛さずには生きていけない」。長く余韻が残る読後感でした。恋愛する、恋愛しないに関わらず、どんな生き方も許容する現代において、「愛」とはどのような意味を持つのか?人が人を必要とするその時に名付けられる「愛」という感情。目には見えない無形の感情を、今作は可視化出来るのではないかと感じています。信頼する西谷監督の元で、深く原作に引き寄せられ、まさに洋子そのものが身体に宿っておられるであろう石田さんと、蒔野聡史として向き合えるよう頑張ります。
石田ゆり子(小峰洋子役)コメント
こんなふうに人を愛せたら…そんな気持ちで一気に読み終えた『マチネの終わりに』の映画化に参加できることに心震える想いです。初めてご一緒する西谷監督のもと、そして初共演の福山雅治さんと共に、この素晴らしい物語の中に生きることはこの上ない喜びです。私の演じる小峰洋子という女性は、人としても女性としてもこのようでありたいと憧れるような存在で、この役を演じることに背筋が伸びる想いです。かつてこんなラブストーリーがあっただろうかと思うほどこの物語は多面体で、知的で社会的でもあります。人を愛するということの素晴らしさと切なさがほとばしっている物語。緊張もしますがクランクインが楽しみでなりません。
西谷弘監督 コメント
今作は珠玉のラブストーリーであると同時に、要の一つとして、主人公が奏でるクラシックギターの旋律があります。この音色という登場人物をどう映像化できるかが最大の課題だと思っています。主演の福山雅治さんはギタリストとしても最高峰の人。誰もが得意分野を演じると思われるでしょうが、今回、彼が手にするクラシックギターはエレキやアコギとは全くの異種。常に高みを目指す福山さんらしいチャレンジングな作品になるでしょう。
そして、ヒロインにはこれ以上ない適役の石田ゆり子さん。初共演の二人がどんなハーモニーを奏でるのか。まるで指揮者のような想いで今から心躍らせています。
平野啓一郎(原作者)コメント
僕の小説は映画化が難しく、これまで実現したことがなかったので、とても楽しみにしています。この分断と対立の時代に、様々な愛が交錯する美しい物語を通じて、見る人が精神的な高揚感を得られるような映画になることを期待しています。福山雅治さん、石田ゆり子さんが、原作を気に入って下さっていることを耳にし、喜んでいましたが、まさか、お二人が蒔野聡史と小峰洋子を演じて下さるとは!映画の完成を首を長くして待っています。
■公開情報
『マチネの終わりに』
2019年秋、全国東宝系にてロードショー
監督:西谷弘
原作:平野啓一郎『マチネの終わりに』
出演:福山雅治、石田ゆり子
製作:フジテレビジョン、アミューズ、東宝、コルク
制作プロダクション:角川大映スタジオ
配給:東宝
(c)2019「マチネの終わりに」製作委員会