吉田鋼太郎、“乙女モード”演じる破壊力 『おっさんずラブ』で“歴代屈指”のヒロイン役に

 回を追うごとに黒澤の乙女っぷりはますますヒートアップし、第4話で浮気を疑う妻・蝶子(大塚寧々)に、相手が春田であることを伝えたシーンでそれが爆発。現実を受け入れられずに取り乱す蝶子を前に、モジモジと春田の背中に隠れ、口を結んで上目遣い……どこぞのブリッ子かとツッコみたくなる姿に“威厳ある吉田鋼太郎”の面影は一切なく、完璧な“乙女部長”と化していた。

 仕事モードと恋愛モードのスイッチが切り替わったとき、黒澤が一瞬にして別人のように変化してしまうのは、ただひとつ、吉田の演技力によるもの。カメレオン俳優という言葉はよく耳にするが、これほどまでに瞬時に変色するカメレオンは初めてみた。“演技の幅が広い”という言葉もよく聞くが、“強面を活かした極悪人から、年下に恋するヒロインまで”とは、さすがに幅が広すぎではなかろうか。2016年に放送された同名単発ドラマで役者として新たな扉を開いた吉田は、今作でその勢いを一層加速。そして私たちは、その魅力にあれよあれよとハマってしまったのだ。

 まるで高校生、いや中学生のような恋愛模様を丁寧に描く『おっさんずラブ』は、脚本、演出、配役、そして役者陣の演技、どれをとってもエンターテインメントの極み。『おっさんずラブ』にあるのは、男だから、女だからとか、そういうところを超越したおもしろさであり、吉田演じる黒澤はもちろん、田中演じる春田、そして林演じる牧が織り成すラブストーリーだからこそ、ここまで心惹かれる作品になったと言えるだろう。

 牧の優しい決断により、春田は幼なじみのちず(内田理央)とくっつくかと思いきや、第6話のラストに映し出されたのは、春田と同棲する黒澤のエプロン姿……!? 黒澤の公式Instagramアカウント「武蔵の部屋」のフォロワー数は、驚異の45万人突破という支持を受け、早くも続編、映画化への期待がかかる『おっさんずラブ』は、ついに最終回を迎える。どの恋愛にも真摯に向き合う春田と、一途に春田を愛し続ける黒澤。2人が迎える恋の結末を、最後まで温かく見守りたい。

■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。5歳・7歳の息子を持つ2児の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter

■放送情報
土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:15〜放送
出演:田中圭、林遣都、吉田鋼太郎、内田理央、金子大地、伊藤修子、児嶋一哉、眞島秀和、大塚寧々ほか
脚本:徳尾浩司
音楽:河野伸
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、神馬由季(アズバーズ) 、松野千鶴子(アズバーズ)
演出:瑠東東一郎、山本大輔、Yuki Saito
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日
公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/ossanslove/

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