『半分、青い。』秋風から弟子たちに受け継がれた情熱 第8週は豊川悦司が主役に

 鈴愛にとっても秋風は、大切な生きてもらわないといけない人。先生のため、と不器用ながら必死に岐阜の人々に相談した結果、律(佐藤健)との口論にまで発展したが、彼女の爆発的な行動力は秋風だけではなく、事務所「オフィス・ティンカーベル」全体を巻きこんでいく。秋風の病に一番に親身になって付き添ったのは菱本。マネージャーでありながら、秋風と対等、時にはたしなめもする菱本は、時折大胆な行動に移る。「5分でいいから私より長く生きてくださいね。私、先生のいない世界に生きる勇気はありませんので」と言ってみたり、ガンが内視鏡治療で取り除ける新規の極小のものであることが分かると、秋風の手の甲に自身の手を重ねてみたり。

 第8週ではボクテによる漫画での「菱本若菜劇場」が展開され、彼女の紆余曲折ある過去が明らかになったが、やはり気になるのは秋風とは男女の関係にあるのか、憧れの存在であるのかというところ。以前、正人(中村倫也)が鈴愛を彼女と冗談で紹介した際、菱本が「先を越されたかと……」とぼそっとつぶやいていることを考えれば、意中の相手がいるということだろうか。

 1990年代を代表するトレンディドラマ『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)の主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」“風”のイントロをバックに、鈴愛の正人へのラブストーリーが始まるところで第8週は幕を閉じる。高校時代には、初恋相手・こばやん(森優作)とのデートが大失敗に終わり、あえなく玉砕となったが、今回は次第に惹かれあっていく恋愛。一方の律も、運命の相手・清(古畑星夏)と再会を果たし、第9週のタイトル「会いたい!」は様々な意味を持ち合わせていそうだ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊/豊川悦司、井川遥、清野菜名、志尊淳、中村倫也、古畑星夏
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/

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