清水尋也、『anone』でキーパーソン役に? 広瀬すずとのセリフの掛け合いに注目

 脚本家・坂元裕二×主演・広瀬すずという組み合わせで、放送前から大きな話題を呼んでいたドラマ『anone』(日本テレビ系)。その期待通り、現在3話まで放送が終了しているが、『Mother』、『Woman』の制作陣が贈る社会派ドラマとして、早くも一筋縄ではいかないストーリーが展開している。それぞれのキャラクターの背景が少しずつ描かれてきているなか、いまだ謎に包まれる存在なのが、広瀬演じるハリカの心の支えになっている少年・彦星、演じるのは若手売り出し中の清水尋也だ。

 清水と言えば、2014年に公開された『渇き。』で、壮絶ないじめにあう“ボク”役を演じ注目を集めると、続く『ソロモンの偽証』(2015年)では一転、同級生たちをいじめ抜く高校生に扮した。さらに『ストレイヤーズ・クロニクル』(2015年)では、並外れた記憶力を持つ特殊能力者の少年を演じた。

 上記作品は、中島哲也、成島出、瀬々敬久という日本を代表する個性的な名監督がメガホンを取り話題になっていたが、こうした現場を経験したことで、さまざまな表現方法を学んだという。特に「台本に書いてあるト書きは最低限のこと。自分でいいと思ったことは付け足して幅を広げてみなさい」と中島監督に言われた言葉は、清水にとって、俳優として “非常に大きな気づき”になったと以前のインタビューで語っていた。一方で、成島出監督の現場では、監督の頭のなかにある、しっかりとしたイメージへアジャストする能力を要求されたという。

 こうした想像力と順応性というベクトルの違う表現力を培ったことで、清水の作品への適応力は非常に高いものになったのだろう。『渇き。』で演じたいじめられっ子、『ソロモンの偽証』のいじめっ子という、それぞれ両極端なキャラクターを、髪の色を変えるなど、やや外見的な特徴差はつけたものの、大きな色をつけることなく演じ切ると、『ちはやふる』(2016年)ではドSのかるた部主将・須藤、2018年4月公開の映画『ミスミソウ』では、強い二面性を持つ相場晄というキャラクターを、作品の世界観からはみ出すことなく、個性的に表現している。

 そんな清水は今クール、前述した『anone』と『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』(テレビ東京系)という2本の連続ドラマに出演している。『anone』では、ハリカがチャットゲームで交流しているハンドルネーム“カノン”という青年を演じ、『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』では、主人公・弄内翔(野村周平)の親友でありながら、翔が思いを寄せる柴原奈々美(飯豊まりえ)から好意を持たれている古矢智章に扮している。

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